日曜日, 10月 29, 2006

Upper Skagit river でフライ・フィッシング(動画有り)

釣果: 虹鱒 ライン: フローティング 場所: スカジット河水源 時間: 11:00am - 5:00pm 天候: 雪、曇り、雨、一時晴れ 同行者: Yasu さん

  • 道程
    Yasu さんから、Dolly がカナダにあるスカジット河水源でよく釣れるのだけれど今度の火曜日が今シーズン最後になるので行ってみようという誘いがあり、早速出かけることになりました。 しかし当日になってみると雲行きがどうも怪しく、思い合わせたようにカナダ側でスカジット川の上流に沿って山を車で登り始めるあたりから本格的に降り出しました。川も濁流と化した上にゴウゴウと高い水位で激しく流れています。しかし朝の 6 AM からシアトルより走り続けて、ここまで来たらおめおめ引き返せません。強行です。未舗装の山道を登って行くに従い天候は雨から霙に変わり、そして雪に。この冬初めての雪体験です。それでも山道を走ること約 2 時間、雲の上に出て来たのか時々晴れ間も覗き始めたので、山道から川を見下ろせる所を認めて停車し、良さそうなポイントを確認することにしました。
  • どん兵衛と魚影にヒョンになる
    途中から車内のヒーターは最大になっていたので外の寒いことは分かっていましたが、車外へ出るとやはり寒い。Dolly は低い水温を好むかどうか知りませんが、これで更に川へ入って釣りをすることを思うと身震いします。ということで Yasu さんが持参した「どん兵衛」で腹ごなしと暖を取ることに。家で食べるインスタント・ヌードルには侘しさが付きまとうものですが、縮りこませる寒さと静けさの中で、山奥の緑の中を流れる雲と川の景色と新鮮な空気を肴に熱々の「そば」を友と一緒に啜ると、「日本人でよかった」という全く違った食感になります。 「そば」の食感を楽しみながら川のプールのゆっくりとした流れを目に映していると、さざ波を揺らめながら泳いで行く魚影が。「あれ、魚じゃない?」川面から 20 m も離れていると思える私達の立っている場所から目視できるので良い型に違いありません。「ドーリーかも」そうなるとヒョンな私達は俄然「そば」に箸を走らせる速度が変わってきます。視線を川に据えたまま汁を飲み干し「ふぅー」と腹ごなしを終えて、間髪いれずにフライ・フィッシングの身支度をして川へ降りていきます。 一投目というのはいつも期待が先行しウキウキするものですが、時間が開いて目撃した魚はどこかに見失っていても、型の良い魚がいそうだということが分かっているとなおさら目つきが変わってきます。 足を川原に下ろしてみると、厳しい冬を控えたことを窺わせる自然の声無い美しさがまず目に映ります。奥に頂に雪を積もらせた山を控え、木々の枯葉と針葉樹の深い緑の織り成す豊かなコントラストの間を流れるせせらぎが、ゆったりとしたプールの静かな流れになって倒木をかすめ、左手に折れながら再びせせらぎになり、川の中央に位置する趣のある岩めがけて小さく落ち込んだ後で再びゆったりとしたプールへ流れ込み、同じようなことを繰り返しながら枯葉と針葉樹のコントラストの中へ消えていきます。 そのような初冬の透徹した景色の中で際立つギラついた眼光を嗅ぎつかれたのでしょうか、あれから魚の気配は全く感じられず、雪もチラホラしだし、二人で一通りのポイントにフライを流してみたものの何の反応も見受けられないのでもう少し上流へ車で移動することにしました。
  • Sub surface rise
    少し上流に移動し車を停め、木々の間をしばし分け入った所に静かなプールがあり、右から左へ流れる川に合わせて視線を移していくと、時折水面上に出るか出ないかのライズが見受けられました。ゆっくりとした川の流れを目で追っていくと多くはないですが所々で小さなライズが見られます。「へぇー、こんな寒くてもサブ・サーフェスのライズがあるんだ」と心の中で驚いていると、早々にYasu さんがクロノミドのフライを付けてキャスティング。静かに流すことを繰り返していると、倒木の手前のライズが時々見られた辺りでインディケーターに当たりが。フィッシュ・オン。11 inc 程の bow (レインボー・トラウト)が負けん気のファイトを見せた後に寄ってきました。取り込み後、無事リリース。以降も暫くサブ・サーフェスでのライズを時として見受けたのですが、二人ともタイト・ラインを味わうことはありませんでした。お互いに魚が何にライズしているのか十分に頭を掻いたので、他のポイントを探して辺り一面の流れを歩いて釣り下り・上がり徘徊しましたが、ドーリーの姿どころか bow の気配もなくなってしまいました。
  • 迫る黒雲の壁
    車で驚くほどの渇水状態のロス・ダムを一瞥した後で、少し引き返した道路脇のトレイル入り口に駐車し、トレイル先の川からロス・ダム入り口までを今日最後とし、ドーリーの一抹の希望を諦めきれずに、竿を振ることにしました。沈み行く日に急き立てられながら、砂場のような足元を蛇のようにうねり流れる川に沿って所々のポイントで竿を振って、ラインを通じて伝わってくるフライからの感覚を頼りにドーリーを探っていると、気温が急に下がるとともに霙交じりの激しい風が吹き始めてきました。それでもめげずに、ジャケットのフードを立て、襟元のコードをきつく締めて釣り続けていると、ロス・ダムの遥か反対岸が最初雪で白く霞みだし、次に段々灰色の雲で見えなくなり、その雲がロス・ダムの方向から近づくにつれ黒さを増して、気付いたときには、まるで超巨大な黒壁と化し、もういい加減帰れとでも怒っているようにものすごい勢いで迫ってきます。山の天気は変わり易いとよく聞きますが、あんな光景は今迄見たことがありません。かなり以前の映画ですが "Never Ending Story" の "The Nothing" (日本語訳では「虚無」と訳されていたと思います)をまさしく思い起こさせました。 慌てて Yasu さん共々車に戻り、ヒーターを MAX に効かせ、嵐のような天候で暗くなった綴れ折りの山道を逃げるように降り下って家路に着きました。帰路上、ガソリン・スタンドに立ち寄ったのですがネイビー色のはずの愛車が泥で綺麗に隈なく白くなっているのには驚きました。洗車せずにいたら、数日後、車を見た知人に真顔で車を買い換えたのか聞かれました。

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日曜日, 10月 22, 2006

Thompson river でフライ・フィッシング

スティールヘッド フライ フィッシングの聖地の一つ、トンプソン河へ二日間釣りに行った際の二日目の釣行記です。 釣果: 16 inc ~ 19 inc レインボー・トラウト ライン: フローティング + シンク・ティプ フライ: ストリーマー全種 場所: トンプソン河 (カナダ) 時間: 終日二日間 天候: 晴れ、曇り、雨 同行者: Yasu さん

  • Flag is Up
    朝まだ薄暗い中まどろんでいる体をベッドから引きずりだし(いつも昼近くかそれ以降にのんびりと釣りに出かける私にとっては、これは異常です)着替えていると、Yasu さんがシャワーから上がってきました。短く朝の挨拶を交わした後、カーテンの隙間から外の様子を見ているYasu さん曰く「風が出ているみたいですね。」、「どれどれ」と私も窓越しに日の未だ明けぬ外を覗いてみるとサークル J ・モーテルに掲げられたカナダ国旗が力強くパタパタと音を立てて棚引いています。出鼻を挫かれたような気分を変えるのに朝のコーヒーを点て、それでも風の止む気配がないか時々窓に目を向けていると、右手から車のヘッドライトが。トラックが一台、少し置いてSUV が一台と先発隊の車が前の通りを過ぎていきます。そうなると私達も負けじとそそくさと定番の「どん兵衛」(Yasu さん提供)で朝食と荷造りを済ませて、先発隊の後に続きます。
  • 水中のジェット戦闘機
    相変わらずドデカイ石のゴロンゴロン転がっているマット・ランの河原が薄っすらと明るくなった頃から竿を降り始め、日の出たのも気付かず一心不乱に竿を振り続け、スティール狂でない尋常の人がのんびりと起きる頃、少し河下へ移動しようと水際を歩いていました。 クリーツを履いていても滑りやすい大きな石に敷き詰められた河底で覚束無い足元を、杖を頼りに一歩一歩ゆっくり歩を進めていたのですが、目先に直径 1m 以上はあろうかと思われる更に一段と大きな石が二つ現れ、右と左どちらから迂回しようかその先の様子を窺ったとき、「でかい。」スティールではなくチンヌーク・サーモンでしょうか、石の直径と遜色ないサイズで石の背後にピタッと付いていました。「こんな浅瀬に」と意表を突いた場所で遭遇したのとそのサイズに一瞬呆気に取られた後、鼻先まで 2m を切った所まで脅かさないようにゆっくりと近づいたとき、それまで尾びれをゆったりと左右に振って石の後ろに留まっていたのが、まさしく音速で飛ぶジェット戦闘機かミサイルのように「ひぇ~」という凄まじい速さで沖の方へ泳ぎ去って行きました。残された私は、ただただ唖然としてそこに佇んでいました。
  • お昼はやっぱり
    マーレィ・クリークの辺りまで釣り下る間、ラインの先に当たりを一切感じず、チンヌークとの遭遇とウェーディングしている時に何度も転びそうになったこと以外に特筆することがないまま昼まで時間が経ったので、場所の移動も兼ねて土手に停めてある車まで戻って昼食をとることにしました。お昼は言わずもがな「どん兵衛」(再びYasu さん提供)。野郎二人の釣り出張ともなればこんな感じで十分と納得していたのですが、昨晩に決めた人の行かない所をカバーしてみようということは辿り着くのに骨が折れる所という意味にもなり、空きっ腹に一日中再三再四による崖というべき急な斜面の昇り降りをすることになってかなり堪えました。始めのうちは、青空と河の抜けるような青さと色鮮やかな紅葉のコントラストに、コオロギの奏でる澄んだ音色と河のせせらぎのハーモニーに、心の洗濯をウキウキ楽しむ余裕があったのですが、帰る頃にはヘトヘトになりズルズル体を引きずっている自分がいました。後日に抱えていた総重量を計ってみたのですが、ロッド、リール、ラインを除いて乾燥で約 12kg 程ありました。ウェーダー、ブーツ、クリーツが水を含むので実際はもう少し重くなり、自分の体重の約 20% の重さの物を背負って急な斜面を昇り降りしていたことになります。釣りというよりは登山です。非常用のゲータレードとスリム・ファーストには本当に救われました。
  • 白銀の幻影
    レイク・プールとオーチャード・ランの間の目に付いた各ポイントで竿を振っていたのですが、その内の一箇所、狭い川幅の上流から勢いよく急流が下の広いゆったりとした流れのプールに流れ込んでいる内側に緩く深い流れの部分があり、そこに非常に大きな石が幾つか岸沿いに点在して水没しているポイントで、緩い流れの頭のどこから竿を振ろうか値踏みしていたところ、足元の水没している大きな石の向こう側の揺らめく波間の一部がゆっくりと青白さを増し大きくなってきます。目を凝らしてみていると、その青白くぼんやりしていたしていた部分が更に明るく白銀のようにしかも推測体長 85cm 程度の魚の形になって浮かんできます。「スティールだ」とハッとしていると、それをあたかも敏感に感じたかのように再びゆっくりと沈んで行きました。それからはウェット・フライの中でも重い物を沈んでいった辺りに来るようにスウィングさせた後でストリップすることを幾つも試してみましたが、体長 40cm~50cm 程のレインボーを 4 尾掛けることが出来ただけでした。トンプソン・レインボー・トラウトといっても、それまで何も当たりが無かったのに加え、トンプソンのレインボーは善戦するので十分楽しむことが出来ました。通常ならばこれで何も思い残すことなく満足できるのですが、やはり波間に消えて行ったあの白銀の幻影は心に引っかかるものとなりました。 ただ、マッハのような速さで泳いで行ったサーモンといい、これで一つはっきりしたのは何も遠方までブン投げればよいというものでも無さそうだということです。
  • コツコツ当り
    日も残り少なくなってきた時にグリース・ホールへ移動し、私はトップに Yasu さんはテールで竿を下ろして、今回のトンプソンでの最後のチャレンジをすることにしました。 グリース・ホールのトップは、急流が上のラフル (ruffle) から流れ込んでいるのですが、ハイウェイ 8 号線沿いの Cal Woods' Recreation Area 側はその急流の内側で流れの緩やかな淀みになり、 河の反対側に流芯を形成し流れて行きます。話は逸れますが、Cal Woods' Recreation Area は、ブリティッシュ・コロンビアのスティールヘッド協会の初代幹事、Cal Woods 氏に因んで付けられたとのことです。ハイウェイ 8 号線側で、急流の内側の流れの境目、流れの緩やかになっている部分にフライがスウィング・バックしてくるようにキャストし、スウィング・バックして来たところでストリップすることを、徐々に飛距離を増しながら繰り返していたところ、「む?」、コツ、コツというしっかりとした手ごたえがストリップしたときに伝わってきました。その時、ストリップを停めて当たりに合わせラインを素直に出してやればよかったのでしょうが、そのままストリップを繰り返したために口当たりを嫌ったのか、以来同じような当たりはありませんでした。一度、自分の最大長のキャストまで達した後、再び手元から最大長のキャストまで同じことを繰り返す内に 3 尾のレインボーを釣り上げることができましたが、どの当たりも最初の当たりの重みと全然異なりました。スティールだったんじゃないかなぁ。 結局、初のトンプソンでのチャレンジは何か晴れない思いを残すものとなって河を後にしました。

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土曜日, 10月 21, 2006

Thompson river でフライ・フィッシング(動画有り)

スティールヘッド フライ フィッシングの聖地の一つ、トンプソン河へ二日間釣りに行った際の初日の釣行記です。 釣果: 16 inc ~ 19 inc レインボー・トラウト ライン: フローティング + シンク・ティプ フライ: ストリーマー各種 場所: トンプソン河 (カナダ) 時間: 終日二日間 天候: 晴れ、曇り、雨 同行者: Yasu さん

  • カナダ B.C. のフィッシング・ライセンス
    金曜日に都合よく ebay オークションで購入したソニー dvd ビデオカメラ (中古の dcr 403) が着いて、これで首尾よくトンプソン河で釣りの様子が撮影できるなと遊んでいたら、あっという間に出かけなければならない時間(朝の4時)になってしまい、睡眠なしの強行軍と相成りました。 Yasu さんと合流してカナダ入り。一先ず途中の釣具屋でカナダのライセンスを購入。これがワシントン州のライセンスと比べて高い! 年間基本ライセンス料が CA $80、スティールヘッド保護負担料 CAD $60、トンプソンはクラス 2 該当の河なのでクラス 2 ウォーター・ライセンスが CAD $40 (CA $20/日 x 2)。合計で CAD $180。これはカナダは B.C. (ブリティッシュ・コロンビア)外在住外国人用の値段なので B.C. に居住している場合はもっと安く済むのですが、でもワシントン州の年間ライセンスはフレッシュ・ウォーターだけならば州外在住者用でも USD $43.80 (州在住者ならば USD $21.90) なので予期しない出費でした。 しかも釣具屋の人曰くトンプソンでは過去 90 年来の渇水とか。出鼻を挫かれた感じです。これから寒くなってくるのできついでしょうが、何度か B.C. に足を運ぶようにし、頑張って良い型を数釣り上げ、楽しい思い出を沢山つくることで元を取るしかないですね。 ということで気を取り直して、いざトンプソン。
  • トンプソン第一印象
    道々 B.C. の綺麗な紅葉の風景を車から楽しみながら、10:30AM 頃に着いたトンプソンはスティールヘッド フライ フィッシングの聖地というイメージよりも思いのほかリモートなキャニオンの真っ只中というだけの感じでした。しかも極度の渇水で川幅が狭くなっており迫力も薄れていました。ただ先入観も手伝ってか、澄み切った抜けるような青空を静かな水面へより深い紺色に映し出すトンプソンには何かが潜む気配の漂っているような…

    「一先ずスペンサーズ・イン・ホテルへ今夜の宿の予約を入れに行きましょう。」と Yasu さんが車を廻すものの、11:30AM オープンのサインにあっさり門前払い。私はというと、「え、泊まるの? 聞いてないんですけど。長距離ドライブだなとは思ったけど、やっぱりそうなるのね。正直、釣りでわざわざ宿泊するのは初めてなんだけど。」と心で思い顔で笑っていました。キャンプ場を除きスペンサーズ橋の周囲には"公式には" 3 箇所しか宿泊できる建物がなく、その内のアケーシア・グローブ・キャビンは既に予約一杯なのが分かっているので、少し心もとないのですが、しかしカカシと化してスペンサーズ・イン・ホテルのオープンまで待っていても埒が明かないので、宿泊の手配は後回しにすることにして本願の釣りをしにトンプソン河へ。ホテル・ランの向かい側の"俗称"マット・ランに入り、Yasu さんは早速竿の準備に取り掛かるも、私はというと遠足気分でスナックを頬張りながら開けた風景を秋風とともに暫し楽しむことにしました。河を眺めていると銀色のライズが… でも 20 inc 位でしょうか。スティールではなさそうです。川原には大きな石がゴロンゴロンしているので、確かにスティールが好んでつきそうなポイントはたんとあるのでしょう。
  • 10 番ロッド
    一息ついて、私も Yasu さんより借りた 10 番のシングル・ハンドの竿を準備してキャスティング。初めて来る川での最初のキャストはいつも淡い期待と興奮を味わえ楽しいものです。ただ今回は、案の定、キャストとライン・コントロールが思ったようにいきません。そりゃそうですよね、このロッドはトンプソン専用らしく先調子、私は 5 番の竿しか使ったこと無いんですから。渇水で水位が低くなっていて魚が怯えやすくなっていることが単純に察しつく状態なのに、10 番のラインで水面を叩くようなキャストになってしまっています。それにシンクティプとフライの重さが河の水位に合ってなく根掛かりばかり。早々にストリーマー系のフライを 4 つも失くしてしまいました。先が思いやられます。「まぁ、10 番の竿のキャストの練習に来たつもりだったんだから」と気を取り直していると、Yasu さんがあがってきました。対岸で一人掛けたみたいだけどとのこと。どんな魚が潜んでいるのか見逃しました、残念です。 その後幾つかの場所に移動し、時たま見る超ヘビー級のサーモンのジャンプに目を奪われたり、足のすくわれやすい川底に奮闘(クリッツと杖を購入しておいて本当によかった)しながら、何とか振りなれない竿で手首に負担のかからないようなキャスティングができるようになり、ラインのストリップ・スピードを適当に調節することで根掛かりを無くすことができるようになった時点で納竿です。しかし、あの足をとられやすい河で胸近くまで浸かる深さへ出て行ってダブル・ハンドの竿を流れるように操ってスペイで綺麗にロング・キャスティングをしている釣人をみると少し複雑な心境になりました。
  • エネルギー・チャージ
    やはり河から上がる頃には既に日はどっぷり暮れてしまい、慌てて今晩のお宿確保にスペンサーズ・イン・ホテルへ駆け込みましたが、やはり予期していたように満室でした。最後の望みの綱はサークル J ・モーテルです。車のヘッド・ライトに照らし出されたサークル J ・モーテルの駐車場には幾つか空きがありそうに見えました。数々の古いスティール・ヘッド・フィッシングの写真に飾られた狭い入り口のカウンター上にある呼鈴に奥からゆっくり現れたのは人のよさそうな田舎のお爺さんで、ニコニコ顔で空室があるよと言ってくれたときには安心と疲れで体が重くなったように感じました。そんなこんなで人のよさそうなお爺さんが宿番しているサークル J のモーテルに不無事チェックイン。 晩餐はスペンサー・ブリッジ・インへ。土地柄に合わない凝った食事に舌鼓を打てて、隣のテーブルで食事をしていたお洒落な年配の白人男性よりスティーリーをドライ・フライで釣った話とワインもご馳走してもらい満足満足。その方は鼠を模したドライで釣ったそうです。でも日中全くライズを見なかったので驚いたような不信な顔をしていると自信を持つことだよとのアドバイスを承りました。ワシントンのフライ・フィッシングの雑誌に記事を定期で投稿していたこともある方とのことなので事実そうなんでしょうが、片手で数えられるくらいしかスティーリーの釣りに出かけたことのない私に自信を持てと言われても… 話はそれますがここで会う人は皆なんか漫画のキャラクターにできる程個性的な気がするんですが… 私達もやはり類友なんでしょうね。 モーテルへ戻って Yasu さんにシンクティプを短く軽いものに変えてもらい、明日の戦略会議です。明日は人の入らないような所を試してみることに決定。 明日に備え、ライン、リーダー、ティペットを入念にチェックしている Yasu さんを横目に、私は冷えて疲れた体を暖房の効いた部屋のベッドに滑り込ませて、明日の朝と昼用の食料を予め調達しておくことを忘れてしまっていたことの不安を抱きながら浅い眠りにつきました。

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水曜日, 10月 18, 2006

Thompson?

Yasu さんの友人が 90cm 級のスティールヘッドをつい最近解禁されたトンプソンで先週釣ったという話から今週末はトンプソン行きが決定。Yasu さん曰くトンプソンはスティールヘッドの数ある聖地の一つで、90cm 級は平均サイズらしい。僕の持っている竿では折られることが明白らしく、Yasu さんがシングル・ハンドの十番のフライ・フィッシング ロッドをライン含めて貸してくれるとのこと。 馴染みの Kaufmanns (タックル・ショップ)でトンプソン行きのことを話したら皆の目の色が変わりました。非常に滑りやすい大きな石がゴロゴロしているからクリッツと杖は必須とアドバイスしてくれたので、ストリーマー系のフライ共々さっそく購入です。 どんなイベントになることやら。 ただ Yasu さんによれば釣れないことで有名とのことなので、10 番のロッドのキャスティングの練習に行くつもりです。

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Snoqualmie river でフライ・フィッシング

釣果: 22 inc スチール・ヘッド ライン: フローティング + シンク・ティプ フライ: #8 オレンジ・オクトォバー・カディス・ピュウパ・ストリーマー + ドロッパーとしての #12 ティンバーライン・エマージャー 場所: スノクゥォミ川 時間: 1:30pm - 2:30pm 天候: 晴れ時々曇り 日曜日のスカジットでの釣りの帰りに Yasu さんが某 Web サイトの掲示板にスノクゥォミでスチール・ヘッドを 2 本あげた掲示があったという話を聞き、珍しく天気も良いのでノンビリと以前にカゥフマン・フライ・ショップで聞いたスノクゥォミのスチールヘッドのセクションに出かけてみることにしました。 平日の昼間に釣りをしている人も居ないだろうという考えながら、初めての場所なので下見を兼ねて川沿いに車をゆっくり走らせていくと、意に反し 4 人ほど先客済みのようです。突き当たりで車をターンし、釣り人の居ない良さそうな所で車を停め川を眺めてみると、いい感じです。 川は右から流れ、Ruffle が Run になり、Pool へと続く所で左にゆったりと折れています。手前から流芯まではゆっくりとした流れなっていて、手前の川底は深くなく比較的大きな石がゴロゴロしています。川の水は最近の雨の影響でしょうか、濁ってましたが、それも魚からはこっちが見え難いだろうと勝手に都合よく解釈して釣り始めることにしました。魚にとってはこの大きさの石の影はいいスポットになるだろうと思われるのですが、何せフラットな足場がなく滑りやすいし、しかも水が濁っていたので幾度かヒヤッとすることを経験し、フライをキャストするのによさそうな所まで来て釣り始めました。 ティンバーライン・エマージャー・フライ 日曜にスカジットでサーモンをあげた後に別の場所で #8 オレンジ・オクトォバー・カディス・ピュウパ・ストリーマー + ドロッパーとしての #12 ティンバーライン・エマージャーのコンビネーションに 13~14 インチの SRC がフックしてきた縁起を担ぎ、ここは初めての場所だし異なるサイズのフライのコンビで攻めてみるのは悪くないと考えて単純にそのコンビにフライを決めました。流芯から手前の緩やかな方へフライを無意識にスウィングさせると底の石の間にフライが挟まるような根掛かりを時々してしまうので、根掛かりしないようにフライの速度を調整しながらスウィングを繰り返し川を下っていくと、また底に引っかかったような。竿先を振って取ろうとすると手応えが。Fish on。ラインを手繰り寄せると川面で反転し流芯へ逃げていきます。ラインを送った後に巻き始めると流芯際で綺麗なジャンプ。スチーリーか。Woho。本当かよ、最初のキャストから 30 分も経ってない。ラッキー。注意深く寄せては走られを繰り返した後に無事ランディング。ラインのドラッグされる音を聞かせてくれてありがとうと言葉をかけてゆっくりとリリース。 フックしていたのは #12 ティンバーライン・エマージャーでした。#12 の小さいフライがスチリーの居た石の影にうまく落ち込んだか、#8 オレンジ・オクトォバー・カディス・ピュウパ・ストリーマーを見に来て#12 を咥えたのかは分かりませんが、スノクゥォミの他の場所では散々な思いをさせられているので信じられないひと時でした。ピース・アウト。

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日曜日, 10月 15, 2006

Skagit river でフライ・フィッシング

釣果: ジャック・サーモン (18 inc チンヌーク・サーモン) フライ: #8 オレンジ・オクトォバー・カディス・ピュウパ・ストリーマー ライン: フローティング + シンク・ティプ 場所: スカジット河 時間: 12:30pm - 4:00pm 天候: 曇り時々小雨 同行者: Yasu さん

  • 旧同僚との再会 驚いたことに、某 Web サイトに出ていたフライ・フィッシング仲間募集の掲示にレスを出してみたところ、元同僚の Yasu さんが出したものと判明。少しメールと電話で会話して Yasu さんのよく知るスカジットで日曜日に落ち合うことになりました。 当日シアトルは結構な雨模様。こんな雨の中で釣りかと少し気が滅入ったけれど、シアトルに住んでいたら秋から冬にかけては外で傘をさしている人を見かけるのが珍しい(雨の日が多く、傘は常時携帯するには鬱陶しいので殆どの人は傘を携帯しません)ほど雨模様の日は当たり前のことなので、釣りにしても別ごとではありません。しかも、元同僚に会えて一緒にフライ・フィッシングをできるとあっては出かけない理由はありません。 ラッキーにもコンクリートの辺りは曇天か小雨状態。着いてみると Yasu さんは既にダブル・ハンドのスペイ・キャスティング中でした。人が河に一人佇んでキャスティングしている様は何故か本当にいいもんです。特に背景が広大な空に雨で燻った雄大な山並みで、河に沿い紅葉の木々が並び、そこを青い水が淡々となめらかに流れていく風景では記憶に残らない訳がありません。 新鮮な空気の香りの中でしばらくぶりの再会に暫しの間会話が弾んだ後に、さっそく良さそうなスポットを教えてもらいました。
  • 初のスカジット河でフィッシュ・オン スカジット河は雨のため水の濁って見えるところもありましたが、Yasu さんに教えてもらったスポットはまったく大丈夫そうです。Yasu さん曰く、スカジット河にはダムがあるので雨の影響は少ないとのこと。Yasu さんは前の週に 23 インチの SRC (Sea Run Cut throat) をあげているので期待に胸弾ませてのアプローチです。 河は左から流れ、Ruffle が Run になったあたりで緩く「く」の字に曲がり、曲がりきったところで左へ支流に別れ、支流に分かれたすぐ後の辺りの岸に私は立っています。私の前の流れはとても緩やかで底が深く落ち込んでいるのですが、右に行くに従って手前は浅瀬になっています。流芯は相変わらずの淡々とした速さにて奥で流れているので、右へと攻め下るのにとても良いポイントです。良い型の SRC や 2~3 種類のサーモンが時々川面に現れたりジャンプしているので、あとは仕掛けの問題だけです。 まずは 2 種類のコーンヘッドの Wool Head Sculpin で流芯から手前にかけての深いプールの底をスウィングで探ってみましたが、時々底に浅く引っかかったり誰かの折れた釣竿などが引っかかるだけで当たりは無し。そのままスウィングを繰り返しながら右に下っていき、底が浅くなってきたところでオクトォバー・カディスのピュウパを真似たようなオレンジのソフト・ハクルのストリーマーに交換です。少し普通より水が濁っているんではないかと初めての河ながら勝手に考え、季節的にもよく(オクトォバー・カディスは全く見かけませんでしたが)、目立つ鮮やかなオレンジのそのフライを選択しました。水の流れに注意しながら不自然なくスウィングできるようキャストとライン・コントロールを繰り返し下っていくと、また底に引っかかったかなというような感じが。竿先を振るだけで取れるかやってみましたが反応無し。仕方なく一度竿を立て強くラインを引いてみました。何か根掛かりとは感じが違うと感じつつ、多分腰までいかないような深さなので近づいていってみると竿先が揺れだしました。WuHoHoHoHoHooo、魚だ魚。Fish on。Yasu さんへ呼びかけます。私の 5 番の竿を気持ちよく曲げてくれています。一度川面で反転したかと思ったら、ラインをドラッグしながら下流に走り始めたので、私も合わせて下流の更に浅い方へ歩いていきランディングの場所を選びます。何度か浅瀬に寄せてはラインをドラッグして逃げるを繰り返した後、無事ランディング。サーモンを釣ったことが一度も無い私がブラウンかな、でもサーモンのような顔形だなと思っていると、一緒に喜んでくれていた Yasu さんが「サーモンだね、よかったね」と言ってくれます。何サーモンなのか疑問が過ぎりましたが、いいファイトをしてくれたので別に気にせずリリース。 初めての河で、景色がよく、元同僚とフライ・フィッシングができ、いいファイトをしてくれる魚をランディングでき私は大満悦。想い出に残る一日となりました。
  • P.S. 当日、他の場所に移ってしばらく釣りをしたのですが、そこで、体長 1m20cm 位でしょうか、小ぶりなブラック・ベアーと遭遇しました。川の対岸を食べ物でも探すかのようにウロウロしていました。 釣れた魚について後日インターネットで調べました。見た目はチンヌーク・サーモン(別名キング)のようなアトランティク・サーモンのようにも思われ、それにはサイズが小さすぎるしアトランティク・サーモンはスカジットでは認識されていないようなので、調べ続けたところ、釣れたのは通称「ジャック」と呼ばれるチンヌーク・サーモンだったことが分かりました

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金曜日, 9月 08, 2006

サイト・マップ

フライフィッシング日誌

ワシントン州河川
Cowlitz river (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2007-06-02 Cowlitz river でフライ・フィッシング
2007-05-20 Cowlitz river でフライ・フィッシング
2007-05-12 Cowlitz river でフライ・フィッシング(動画有り)
Deschutes river (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2007-05-06 Deschutes river (WA) でフライ・フィッシング(動画有り)
Kalama river (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2007-06-17 Kalama river でフライ・フィッシング(動画有り)
Rocky Ford creek (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2007-05-28 Rocky Ford Creek でフライ・フィッシング(動画有り)
Skagit river (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2006-10-15 Skagit river でフライ・フィッシング
Skykomish river (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2007-06-30 Skykomish river でフライ・フィッシング(動画有り)
Snoqualmie river (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2007-07-22 Snoqualmie river でフライフィッシング: 曇天の運と愛しのミドル・フォーク
2006-10-18 Snoqualmie river でフライ・フィッシング
2007-06-20 Snoqualmie river でフライ・フィッシング
2008-05-07 これは川を泳ぎ横切る新種の巨大魚(笑)?
Yakima river (WA) 釣り日誌トップ・ページ
2007-04-22 Yakima river でフライ・フィッシング
2007-04-15 Yakima river でフライ・フィッシング
カナダ河川
Skagit river (B.C.) 釣り日誌トップ・ページ
2006-10-29 Upper Skagit river でフライ・フィッシング(動画有り)
Thompson river (B.C.) 釣り日誌トップ・ページ
2007-11-27 Thompson river でフライフィッシング: 彼方僻地の社交場へ再び(動画有り)
2006-10-22 Thompson river でフライ・フィッシング
2006-10-21 Thompson river でフライ・フィッシング(動画有り)
2007-11-19 Thompson river でフライ・フィッシング: 心の爆発する瞬間、心の萎む瞬間(動画有り)
2007-11-05 Thompson river で運動会からフライ・フィッシングへ(動画有り)
2006-10-18 Thompson?
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木曜日, 9月 07, 2006

はじめに

2003 年よりフライ・フィッシングをアメリカ合衆国のワシントン州で始めました。 実は魚釣りは口実でした。 ワシントン州の美しい渓流の景観と澄んだ水の流れる音に暫しの間佇んでいると、時間を忘れとてもやすらぐことができたのですが、ただ「ボー」と長い間立っていると不審に見られはしないかと思い、更には不精な自分にとって魚釣りに出かけるということが未だ訪れたことのない色々な地に足を運ぶよい動機付けになるだろうと考えたのがきっかけで、家の近くの釣具店が偶然 Kauffman's Streamborn だったのでフライ・フィッシングを始めることになりました。 その年は Snoqualmie と Skykomish の 2 つの川の支流にて静かな一時を夏から秋にかけて毎週末透きとおった清流の流れる自然の中にたたずんでいることを単純に楽しんでいました。 その年の晩夏に North Fork Skykomish 川に美しい所を見つけました。山深く入った周りの木々の緑と突き抜けるような青空、背景の山を横切る綿菓子のような白い雲、更にとても澄んだエメラルド・グリーンの深い水の流れとそこへ落ち込む小さな滝からの清涼感、心洗われる気持ちよさを毎週のように味わいに出掛けていました。恐らくフライ・ボックスにはアダムスとストーン・フライの 2 つのパターン程度しか入っていなかったと思います。その場所のことを Kauffman's Streamborn で話したところ、「これをその落ち込みへ投げてごらん」といってオレンジ・スティミュレーターを渡してくれました。次回出かけた時、言われたように小さな滝からの落ち込みの近くへオレンジ・スティミュレーターをキャストすることを試みました。3 投目だったと思います。落ち込みの直ぐ近く、狙った所へ上手くオレンジ・スティミュレーターが静かに着水し、二呼吸くらい自己満足を味わっていたときに水飛沫とともにオレンジ・スティミュレーターが水面より消えたのに合わせ反射的に竿を上げたところ、しっかりとした手ごたえが竿を通じて伝わってきました。暫し魚とのコネクションを楽しんだ後に寄ってきたのは、たしか 30cm 弱のとても綺麗なレインボー・トラウトでした。それが私にとってフライ・フィッシングで初めて釣れた魚でした。今でも周りの景色とレインボー・トラウトの色鮮やかなコントラスト、躍動感にあふれた魚体、それらがもたらしたセンセーションは強く記憶に焼きついています。それ以来、周囲の美しい景色と一体感を味わい日常を忘れることへ、その美しい河川の景色のどこかに埋もれ隠れている宝探しの楽しみが加わりました。 その後も同じ場所を訪れオレンジ・スティミュレーターを投げて魚の掛かることはありませんでしたが、ある時背後で物音がするので振り向いてみると一人のフィッシャーマンが銀色の大きな魚をぶら下げ自慢げに立っていました。そのときは「あんな大きな魚がこんな川の上流にいるんだ」という驚き程度しか思い至りませんでしたが、今思えばスティール・ヘッドだったということが分かります。それからです、そのような魚を求めて North Fork Skykomish 川とその支流から探索を始めました。そして秋の訪れを感じ始めた頃、小さな支流の一つで 50cm オーバーのサーモン 3 尾が傷ついた体で浅瀬を上っていくのを見て感動し、釣るという気持ちの色あせたのを覚えています。 そういう意味では、魚を釣ることよりは、むしろ感動を捜し求めているのだと思います。幸運にもワシントン州の豊かな自然は感動の種を見つけるのに事欠かないので、ますますフライ・フィッシングに心が傾いてきているところです。

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