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火曜日, 11月 27, 2007

Thompson river でフライフィッシング: 彼方僻地の社交場へ再び(動画有り)

先週のバイトのセンセーションは寒さの記憶を上回り、今週もやはりトンプソンで河に立ちに出かけることとなりました。 水位: 約1.8m 水温: 約7.5℃ 天候: 晴れ後曇り 目次

  1. 行きはよいよい、帰りは...
  2. 冬装束の忍者、トンプソンに現る
  3. 爺的素行パターンの釣り
  4. 恵比寿様からのトンプソン・スティールヘッディングのご指導とサンタクロースに聞くフライフィッシングのお伽噺
  5. トラウトに人生を豊かにすることについて教わる
  6. 一筋縄でいかないトンプソン釣行
本文
  • 行きはよいよい、帰りは...
    眠気覚ましにハイウェイの休憩所でフリーのコヒーを調達しラジオでアメリカン・カントリーを鳴らしながら Yasu さんとの合流点まで運転していると、日曜の早朝(5AM出)にも関わらずいつもより多い車に気づきます。「皆さんトンプソンへ出かけるのかな」などと素っ頓狂な思いが頭を掠めた後、日曜が感謝祭の週の最後の日なので、気の早いリターン組みか、各地で催されるホリデー・シーズン・セールの特価品狙いの(超クレージーな)ホリデー・ショッパーの車であることに気がつきました。同情心が沸き、「皆様、特に男性諸氏、この時期ご苦労様です」と思わずスピーカで叫びたく...なったりはしませんね。 そんなこんなで私の居所から約 5 時間半の道程 (帰りがこれがとんでもないことに) の後、Big Horn Holdings で前回同様にライセンスを購入してトンプソン入りを果たしました(誰か法螺貝でも吹いてくれるととてもやる気になって嬉しいのですが)。しかし、ボウウィンクル(Big Horn Holdings の犬)は見る度に何か言いたそうにこちらを見つめている気がしてなりません。
  • 冬装束の忍者、トンプソンに現る
    トンプソン入りして下のポイントから先客の状況(侵略状況と言う人もちらほら)を確認しながら車を走らせ、Y ランが空いていないかなぁと期待していると、なんと空いているではないですか。早速に車から降りて体を解していると、Y から上がってくる日本人男性の人影が見えます。ワタナベさんという先生をされている御仁でマット鈴木さんのお連れの方とのこと、そこへマットさんも車でお迎えに現れました。廉価をモットーに行き当たりばったりで物を揃えている私とは異なり皆さん何かスタイルがあって格好いいんですよね。マットさんからスローだよと情報を貰っている所へ、スティールヘッド協会の男性も調査に現れ、駄目押しの「皆調子悪いようだよ、スローだよ」とのコメントを頂きました。うーん、Y ランが空いていて来た早々に日本人の方とお会いするよい機縁のように感じていたのに。 話によると下流から新しいスティールの遡上グループによる補填が今年は遅れているのか非常に少ないようです。 前回、慣れているレディントンのレッドフライではなく TFO から振り始めたせいか、どうも最後まで竿とのリズムが合いませんでした。先調子のレディントンで竿の感覚を掴むと、それより柔らか目の TFO で感覚を掴むのは非常に容易なのですが、その反対の場合はどうも今一つで、考え出すとキャストの流れがバラバラになってしまい取り止めがなくなるので、どうもうまくありません。どんな竿でどんなラインの組み合わせでもある程度普通に気持ちよく投げられるようでありたいので、かえって練習になるのかも知れませんが、5 時間半もかけて来るトンプソンではそうも言っていられず釣りに専念できるようにしたいのが心情です。 冬装束の忍者を思わせるスティールヘッダーがY ランに向かう ということで、使い慣れたレディントンのレッドフライをとっとと持ち出し、準備万端で Y ランの河原へ、Yasu さんがまるで忍者を髣髴させるような冬の嗜みの格好で歩いている先にはやはり河原の水溜りが白く氷結しています。
  • 爺的素行パターンの釣り
    実は水温が低くなったときに Y ランのある所へスティールが居つくという情報があっての Y 入り希望でした。ただ Y では(私にとっては)遠投しなければならないのですが、釣人の隅にも置けないほど朝がすっかり苦手になってしまった現在の私にとって、特にトンプソン入りするときはいつも一睡もしない状態で出かけてくるので、朝の遠投は調子が出ないばかりか、スティーリーの活性化する温度幅の下限かそれ以下の水温なので底近くの水深域を探ろうとしたために根掛りを頻繁に起こし、どうもリズムに乗れません。 河原に氷の張るトンプソンの冬の Y ラン そんなこんなで、どうも調子が上がらず頭から立つ湯気をロッドのガイドやラインに薄っすらと氷が現れる程の寒さが沈静化してくれ、ようやく波に乗り始めた頃、Yasu さんから「ここは日が当たらなくて寒いから、日の照っているステーションへ移りましょう」という声が無線に入りました。「あんさん、そんな爺くさいこと...大賛成です。スティーリー達もきっと暖かい所に屯って居るに違いありません」ということで、二人して底冷えのする日陰の暗い Y ランから日のあたり明るいステーションへスタコラサッサ。「ス、ス、スティール来い、ステーションの水は温かいぞ」と(笑)。 移動の際、前回紹介したトンプソンの釣れ犬様のお宅の前を車で通ったところ、飼い主と思われる男性とガレージに居るところを発見、思わず運転している Yasu さんへ、「バック、バック、釣れ犬様が居た」と叫び、急遽車をバックさせ、しっかりジュージュー・ファクターの釣れ犬様を、飼い主の男性が何事かと目を丸くさせる中、やや強引に拝観 (笑)。ただ今回は、あたかも「こちっへ行け」と指し示していたかに見えた前回と異なり、釣れ犬様がリラックスされているところをこちらの身勝手で拝見したような面があるので、Yasu さんと二人で御利益はあるのだろうかと疑問が頭をたれました(笑)。 ステーションでは、日が当たりポカポカ陽気です。Y ランとでは極楽と地獄ほどの違いがありました。結局、Yasu さんと二人共々、そのぬくぬくとした心地よさを離れられず、その日の終わりまでステーションでフライを流しました。ただ、やはりトンプソンには精悍な奴の他に爺くさいスティールはいないようです(笑)。下のビデオはトンプソンのステーション・ランです。
  • 恵比寿様からのトンプソン・スティールヘッディングのご指導とサンタクロースに聞くフライフィッシングのお伽噺
    釣りから上がってはいつも通り、先ずは宿舎であるアケーシア・グローブ・キャビンに入ってエナジー・チャージです。熱燗で舌をぬめらし、Yasu さん提供の脂の乗った海の幸で舌鼓、更には炊き立てのご飯にレトルトの辛口カレーで舌に火をつけ、Yasu さんのお知り合いのカズさんも加わってトンプソンのスティール談義で舌戦と、口から徐々にヒート・アップさせて暖を取ります。カズさんはトンプソンで驚異的なスティーリーのフック率を誇る御仁とのことで、お魚屋さんということもあってか風貌から何となく恵比寿様を連想してしまいます。お話しするとやはり私のような安直な考えの者が行う釣りとは少し異なる釣り方をされているようで、とても参考になりました。 口元の緩みが全身に及んだ後はスティールヘッダーの社交場のログ・キャビン・パブへ、Yasu さんと二人でポケットに手を突っ込み背中を丸くしながら、満月の月明かりに浮かぶ夜道をテクテクと千鳥足で向かいました。途中で、いきなり左手から一匹の犬が吠えながら勢いよく走ってきて、月明かりにモノトーン調に浮かんだ犬を見ると白黒斑だったので一瞬釣れ犬様が気でもふれたのかと目を凝らすと似非釣れ犬でした。頭を下げ歯を剥きながら唸ったり吠えたりしながら、今にも噛み付く機会を探るように足元の周りを行ったり来たり。周囲の番をしてくれてありがとうと気にせず無視して歩いて行ったのですが、今思うとトンプソンからの帰りの難儀は何か似非釣れ犬の怒りに触れたタタリだったのかもしれません(笑)。 貴重な宝を守るように 2 重になった重い扉を開くと現れるフライフィッシャーの社交場で今回出会えたのは片腕のジョーさんでした。彼はトンプソンのスティールヘッダーの間ではかなり有名な人物らしいのですが、河と魚の大きさが他と異なるトンプソンで片腕でのキャストや取り込みをしてのける彼の釣りに対する情熱だけが彼を有名にしたのでなく、その人柄も手伝っているように思われます。彼の外見と人柄は何となくどこからか知っているかのような人一倍の親しみや温かさを感じるもので、本当はサンタクロースで、来月に向けエネルギー・チャージを兼ねたバケーションでトンプソンのスティールヘッディングに来ているのではないかと思わせます。私はログ・キャビン・パブに入店する前から既にできあがっていたので、ジョーさんが目をキラキラ輝かせながら一生懸命に色々なフライフィッシャーにとってはお伽噺のようなことを話してくれたにも関わらず、恥ずかしいながら朧にしか覚えていないのが残念です。薄れ行く記憶では、ジョーさんは 70 年代よりトンプソンで釣りをしていて、しばらくは餌釣りをしていたのだけれど好調な日は 15 尾も釣れるようで厭きがきたのでフライ・フィッシングを試したところ、その年はシーズンで 1 尾のみ、翌年は 4 尾と釣れないのが面白くはまってしまったとのこと。うーん、やはりスティールヘッディングにはフライは効率が非常に悪いのではと悔しい経験をしてきている者にとっては古傷をなぶられるようなお言葉。(餌釣りのときは、スティールヘッドがどこに居着くのか知っているので完全にピン・ポイントで攻め、一つの釣り場に 5 分とかけなかったそうです。) でも、やはりジョーさんも釣れない釣りがいいんですね(笑)。 グランデ・ロンデ・リバー・ラット・フライ トンプソンの他の話として、あるときマレィー・クリークで色々フライを試した挙句にあるフライ(左のグランデ・ロンデ・リバー・ラット・フライに似ていましたが、それ程色鮮やかでなく、頭のハクルが無く、テールのハクルもずっと小さかったと記憶しています)を使ったら立て続けに 5 尾以上も釣り上げたことがあり、そのフライを他のランでも流してみたけど全然反応がないことがあったということを懐かしく嬉しそうに話してくれたので、是非そのフライを拝見したいとねだったおかげで首尾よくトンプソンのサンタクロースさんのフライブックの中の秘宝を堪能することができました。そこには丹精込められたフライが 15 個ほどバラエティーに富んで並んでいました。繊細な完璧主義と芸術家肌に精力ある創造が個々のフライ上に素材・形・色・サイズと多次元にバランスされており、ジュエリー・デザイナーにでもなったほうがよかったのではないかと思わせるようなジョーさんの人柄の他の一面を垣間見るようでした。 他にもキンコリス河でリアカーを 2 日間引っ張って釣りをして 53 lbs! (24kg) のキング・サーモンを釣り上げたことや、ケェラム河では 93 lbs!!! (42kg) のキングを釣り上げた話を聞いたことなどを熱心に話してくれ、それらの河を訪れるのに良い日にちも教えてくれました。 私にとってフライフィッシングの大きな魅力の一つは瞳の澄んだ人々と出会えることです。開高健氏も濁り淀んだ目と澄んだ目ということを幾つかの著作の中で述べておられますが、しみじみ(あくまでも自分なりにですが)その意味が分かるような歳になってきました。目の澄んだ人に正視されるとつい目線を逸らしてしまう自分がいて、フライフィッシングを続けていれば彼らのように私の目も澄んでくるのだろうかと晴れない心を、ログ・キャビン・パブからの夜道、天空高く昇った満月が柔らかい光を照らして慰めてくれました。
  • トラウトに人生を豊かにすることについて教わる
    翌日は、前回に経験したこの時期ポイントへせせこましく一番入りを狙っても朝の冷え込みが厳しくあまり意味がない教訓を生かして、ゆっくりと朝のコーヒーで目覚めの時間を潤した後でボチボチのんびりと出陣しました。前回あまり人が入らないポイントを攻める戦略でセンセーショナルな思いをすることができたので、今回も Yasu さんの提案に沿ってスペンセス・ブリッジから少し離れたマーテル・アイランドでも藪を掻き分けて入った所でフライを流すことにしました。 表層の流れを見る限り、理想的と言われる人の歩く速度の流れの部分が比較的スウィングの美味しい中心から終わりにかけての部分で取れそうな流れが各所にあり、この時期に良さそうな深さも十分にあるポイントで、スティールが掛かりそうな気配は感じられます。ただ流れと風が左から右、しかも背後は崖が迫っていて、スネーク・ロールやダブル・スペイではバックが取れないような状況なのでキャストに苦労します。四苦八苦した挙句に、ダブル・スペイでスカジット・スタイルのペリー・ポークのように一度ラインを前を落とし、それによってアンカーポイントをずっと前方へ置けるようにすることであまりバックが取れなくても良いようにしてから本キャストするやり方で、何とかキャストの練習にでなく釣りをしに来た感じを楽しめるようになりました。フゥー。 こんな時に携帯のボタンを一押しすると、状況を自動分析し最も効率的なスペイ・キャストのデモをするホログラフの 3 D プロジェクションが現れるようになるとクールなのですが。まぁ、そんな風になるとその分楽しみも減ってしまうのでしょうね。 トンプソン虹鱒 あまり人が入っていない分、やはりフライを流しているとラインを通じて魚が遊びに来てくれているアクションを度々感じます。ただ残念ながらその感じはスティールではなくトラウトのようです。そこへ「スティール」と無線からYasu さんの叫びが漏れます。「OK、そっちに向かいます」と応答した直後「ご免、トラウトだった」と訂正が入りました。トンプソンのトラウトは型が良く 50cm 級は珍しくありません、しかもスティールヘッドの幼魚なので普通のトラウトより奮闘します。それに、マット鈴木氏によればトンプソン・スティールの中にも初めての海洋の旅から帰ってきたものには小型 (20 inc 級) のものもあるようです。スティールならば海洋の旅で鍛えられるので尾を掴んでみればトラウトより太いので見分けがつくとのことです。その後もトラウトは遊びに来てくれるものの、結局スティールらしいスティールとは今回はお目にかかれませんでした。やや強引に釣れ犬様を拝見したのが良くなかったのでしょうか? でも、トラウトだけでも釣れたので、釣れ犬様に感謝感謝(笑)。 ただ、Yasuさんと長ーくなる帰りの道中話したのには、トンプソンだといくら型の良い虹鱒が釣れても「なんだトラウトかと」気落ちしてしまうのですが、幾ら屈強で大物のトンプソン・スティールを狙って頑強なタックルでトンプソンに入っているといっても、それはあまり好くないような気がします。もしトンプソンにトラウトを狙って入って型の良いトラウトが釣れて帰る場合はウキウキ気分で帰れるでしょうし、尚且つ運良く大物のスティールが掛かってしまったとなれば超ハッピーなものとなる訳ですが、大物のスティールを狙って入り、型の良く色も鮮やかな虹鱒が釣れても「なぁーんだ」と言って帰るのでは人生の豊かさが大きく異なってくるような気がします。やはりよく言われることですが、日頃の感謝の心がけが大事ということでしょうか。その点、スペイは個々人的に投げること自体に楽しみを見出せるのが好いですね。大空の下、ラインが気持ち好く伸びてゆく爽快さ、スウィングが思ったように綺麗に流れていくときの魚が掛かるのではないかという期待と興奮が入り混じって早まる心臓の鼓動。最近は魚が掛かろうが掛かるまいが結構それだけで満足できるようになってきました。まぁ、一般に投げることによる釣れない弊害もよく指摘されるので必要の無い所では投げないことも大事ですね。勿論、釣れないよりは釣れた方が面白いので。
  • 一筋縄でいかないトンプソン釣行
    ということで、スティールが釣れなくても楽しく帰ろうと Yasu さん共々互いの傷を舐め合い(笑)ながら帰路に着いたのですが、しばらく入った所でそのような気分は消えうせるものとなりました。思いもかけないほどの勢いで雪が降り始めたのです。この時期初の本格的な豪雪のようです。「何故今日突然にこんなに降る必要があるの?」と幾らぼやいても止む気配はありません。帰りの山道が途中で閉鎖になっていないことを祈りながらゆっくり安全運転で車を転がして行くしかありません。 映画のダイ・ハードのワン・シーンでも見るかのように大型トレーラーがハイウェイの中央分離帯の所で横転している事故を横目に見ながら、結局トンプソンから Yasu さん宅のあるべリングハムまで通常の 2 倍以上も掛かって帰ってきました。そこから自宅のシアトルに帰る頃には深夜の 1 時を回っており、一筋縄でいかないトンプソン釣行を思い知らされましたが、今となっては好い思い出です。(実は次回にトンプソンへ出かけたときはもっと凄い状況になっていました。)
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月曜日, 11月 19, 2007

Thompson river でフライ・フィッシング: 心の爆発する瞬間、心の萎む瞬間(動画有り)

今年 2 回目のトンプソン河への釣行記です。 水位: 約 2.05 m。 水温: 約 8.8 ℃ 天候: 曇時々晴れ

  • 先ず最初にご参考にですが、トンプソン河でのスティールヘッディングは下火になってきているようです。 18 日(日)と 19 日(月)と再びトンプソン河へ出掛け、そこで出会ったスティールヘッド協会からと思われる調査員の方との話や、他のフライ・フィッシャー達からの口コミによるとスローな状態だそうです。 11 月中盤も過ぎたことから冬モードに変わるところで当たりが無くなってきているのでしょうか。 それでも個人的にはスティールらしきテイクがあったのと満点の星空を千鳥足で堪能できたので非常に満足のいく釣行でした。
  • 性懲りもなくトンプソン再び
    今月 4 日から 2 日間トンプソン河へ出掛けた前回に集まった情報から、今年のスティールヘッディングの調子は昨年より良さそうな感触だったので、いつも以上に膨らみがちな期待にボウズの冷や水の味を散々覚えいてる理性がブレーキをかけるいい感じの淡々さで、性懲りもなく再びトンプソンへ足を向けました。 Yasu さんと合流後トンプソンへの道中で、前回は昨年程にサーモンを見なかったことから今年はサーモンの遡上数が少なく、テリトリー争いによってスティールヘッドが流芯に近いような場所に追いやられることがないから、比較的水位が高い今年でも好調な当たりが皆にあったのではないかとか、もうぼちぼちトンプソンは冬モードに入るから今回はどうだろうとか、朝夕のスティーリーが鱒モードになりやすい時間はどこのランを攻めようかというような釣り談義を交わしながらトンプソン入りしました。 実は今回は見慣れた Lani Waller 氏のスキーナ河でのスティールヘッディング・ビデオでイメージ・トレーニングを前夜にしてトンプソン入りしました。
  • トンプソンでの気持ちよい出会い
    今回はトンプソン用の Classified Waters ライセンスを Big Horn Holdings で購入し、そこからすぐ近くにオーチャード・ランがあり、Arthur J. Lingren 氏が「トンプソン河・ジャーナル」の中で水位が 1.9m ~ 2.0m で薦めていることと先客も無かったのでタイミングよく竿をおろすことにしました。あまり投げる必要が無いので前回竿おろししたばかりの TFO で岸寄りを攻めることに。下のビデオがオーチャード・ランです。あなたならトンプソンのオーチャード・ランをどう攻めますか?
    今頃から冬モードに入ることを予想し試してみようと思っていたことがありました。キャストしたときにラインを全て投げてしまうのではなく、手元にラインのループを残しておき、キャスト直後にメンディングでラインを手元のループより送ってやるのと同時に下流にポジションを移動することでフライを沈めることです。それにスペイでのリーチ・キャストの練習も課題です。 そんなことをしていると忙しいのと、なかなか思うようにいかず、手元のラインのループが背中のデイパックに絡まったり、底に根掛かりしたり、キャストでフライがターンしなかったりとフラストレーションが溜まってきたところ、ふと下流の丘の上でポイントの確認をしているようにも私の惨澹たる姿を哀れんでいるようにもとれる感じで、こちらを見ているスペイ竿を持ったフライ・フィッシャーマンが小さく見えるのに気づきました。 気にせず暫く同様に四苦八苦しながら試行して釣り続けていると、先程のフライ・フィッシャーマンが脇の岸を通り過ぎて行きます。近くで見ると 70 歳に近いと思われる初老の小ぶりの男性で、スニーカーにスエットの軽い足並みでした。しかもどこかで見たような顔つき。何となく「トンプソン河・ジャーナル」の著者である Arthur J. Lingren 氏の面影があるような。 その暫く後に Yasu さんからポイントを移動しようかという無線が入ったので了解の返答をしておいて、直ぐに先程の気になる初老のフライ・フィッシャーマンの所へ向かい上流に歩を進めました。近づいてみると記憶にある Arthur 氏の若い頃の写真とは少し趣が異なるようです。今考えると Arthur 氏がそれほどお年を召している筈のないことが分かるので、Arthur 氏かどうか尋ねて変な恥を掻かずに済みよかったと思います。それでも興味があったので二言三言世間話してみたところ、5 時間ほど車を運転し今着いたところで、これからスニーカー着用のままフライ 2 ~ 3 個を無駄にすること覚悟で岸からスペイで釣り下るつもりとのことでした。 思わず、スペイ・キャスティング教材ビデオの「Spey Casting Secrets」の中で確かジョージ クック氏だったと思いますがスナップ T が生み出される逸話を話しているところで、デック ホーガン氏がナイキのエアー・ジョーダン・シリーズのスニーカーにジーンズで現れ、クック氏より竿を借りて河原からスナップ T のキャストとしての有効性を試すのにブン投げ、しかもいとも簡単にキング・サーモンを釣り上げた話がされており、しかもそれが当時のスペイ・キャスターのユニフォームだったということも言っていたことを思い出しました。 お会いした男性の竿とリールは比較的新しいように見えましたが、しっかりダブルハンドのグリップ部には使い込んでいる手垢のあとがしっかりと確認できました。ウェーダーも着けず、一人で冬のトンプソンで超ド級のスティールヘッディングですか。ご老体、お若いですなぁ。肩の力の抜け方がまたまたよろしいようで。もっと会話を楽しみたいのですが Yasu さんが待っているので失礼しますということで、残念にもご闊達なご老体の一振りも見ることもなく最初のポイントを後にしました。
  • トンプソンの Juju factor
    実は前回のトンプソンへの釣行の際、轟木さんと根岸さんにトンプソンで釣れる為に縁起を担いでいつも何か行うことはありますかと最高機密(笑)について尋ねたところ、特に無いけれど "釣れ犬" を見ることができると掛かるよと教えてもらっていました。 もし興味のある方がいらっしゃった場合(笑)の "釣れ犬" の説明ですが、犬としてはややポッチャリ目で白い体に大きな黒の少なめの斑が目印で、スペンセス橋の 1 号線側で時々見受けられます。ただ近くに白黒斑ながらよく吠える似非の犬もいるので勘違いしないようにご注意ください。
  • 釣れ犬に励まされるヒョンな二人
    今回初日に入った最近前評判が良い最初のポイントにて何の手応えも感じなかったことから、Yasu さんと二人でいつものボウズ・パターンかと意気消沈気味に車で次のポイントをどこにするか巡っていたところ、噂の釣れ犬が主人に嗅ぎつけた獲物への方向を鼻先で示すポインター犬のように東北を向いているのに偶然出くわしました。 その釣れ犬に誘導されるように Y ランへ向かい幸運にも先客が無かったことから竿をおろすことにしました。ランを上流と下流に分け、私は下流でフローティング・ラインに白のステッツ・ボムバーのドライ・フライで水面を滑らせることにしました。 ステッツ・ボムバー・ドライ・フライ 自分で気持ちよく投げられる飛距離を 4 ~ 5 投もキャストした頃、1/3 もスィングしないところで何かがボムバー目掛けて出ました。同じ場所で 2 投キャストを繰り返すも再びライズすることはなく、中州まで釣り下ったところで Yasu さんと場所の交換です。辺りが薄暗くなり始めた日暮れ、Yasu さんから何か当たりがあったという無線が入りました。しかし日もとっぷり暮れてきたので納竿です。後で Yasu さんから聞いたところ当たりがありラインが引き込まれたかと思うと上流に泳いで行ったところで針が外れてしまったようです、またスティールとは違うかもしれないということでした。 ただ魚のアクションがあると俄然ムードが今までと変わり、明日に繋げる希望がフツフツと沸いてきて釣りの楽しみ度合いが全く違うものになります。
  • 酒と、寒空の星々と、トンプソン河に消える貨物列車の警笛に、朴訥なスティールヘッダーの笑顔からなる一夜景
    初日の寒天な夜は、いつものようにアケーシア グローブのキャビンへ逃げ込み Yasu さんが経営するお寿司屋さんからの熱燗と刺身にご飯で体の芯から日本人であることの悦びに浸ることで温まった後、この時期スティールヘッダーの社交場となっているログ キャビン パブへフラフラと出掛けて行きました。雲一つ無い夜空のため、放射冷却で道端に見られる水溜りが小さなアイス・リンクと化している底冷えのする夜道を、ログ キャビンの暖かそうなオープンのネオン・サインに催眠術でもかけられたかのように誘導された後、貴重な宝を守るように重厚な 2 重の扉を開くと辺鄙なスペンセス橋にいることを忘れるほどオープン・スペースでアメリカの正統派のパブが目の前に開けます。日柄朴訥に黙々と竿を振っているスティールヘッダー達、特にトンプソンで幸運の女神の微笑みに恵まれた者にとってはリカーで緩んだ口から熱く煮込んだ言葉で思い出話を滑らせ笑い声を響かせるには絶好の場所です。 もしトンプソンをスティールヘディングの季節に訪れた際は一度足を運んで冷えた体を温めて下さい。 ログ キャビン パブからの帰り道は久しぶりに千鳥足で夜空に輝きわたる満天の星空をフライフィッシング仲間である Yasu さんと見上げながら宿に戻りました。
  • 冬モードの忍耐スティールヘッディング・ゾーンへ
    翌朝の冷え込みは前回からは想像しなかったものでした。前日の感触と釣れ犬が指し示した方向といい(笑) から、いつもの朝の時間に Y に向かいました。ポピュラーな Y に他のフライフィッシャーマンに先駆け朝一で陣取れたことをラッキーに感じるのと裏腹に今一つそれが合点のいかない変な心情が、河原まで出でて竿を振る頃には解決がつきました。手のかじかみだけでは収まらず、リールが凍って固まり、竿の各ライン・ガイドには氷の結晶が張り、ラインも所々氷で硬くなるし、河の水の方が温度が高いためにトンプソンの川面から靄が上がり、惨めなことには性質の悪い風まで吹いている始末。前日の様子とは大違い。通りで他のフライフィッシャーマンがいない筈です。あまり釣れる気はしないものの、そこはそもそもスティールの遡上数が非常に少ないトンプソンまで来るスティールヘッダーの端くれの悲しいサガで、諦め切れない一抹の期待で一投また一投、更には仲間の Yasu さんが同様に諦め悪く竿を振っていることが続けることへの疑念を覆い隠し、また一投一投、悪循環へ導きます(笑)。 しかし、これも今思えばとてもよい思い出となりました。 ロック・ランからのトンプソンの一景 生憎と持ち込んだトランシーバーの電源を前夜に切ることを忘れてトランシーバーが使えなくなったことから、Y ランで離れ離れになり見失った Yasu さんと連絡が取れず、私は駐車した車から見渡すことの出来るロック・ランまで一先ず戻って竿を振りながら Yasu さんを待つことにしました。
  • 心の爆発する瞬間、心の萎む瞬間
    結局、何の生命反応もラインの先に感じられないまま車に戻って昼食を採った後、Yasu さんの提案であまり人の行かないようなポイントを浚ってみることに。偶然にもそれが釣れ犬の指し示した方向のポイントだったことは二人とも後で気づきました(笑)。 少しの間のハイキングの途中で私が選んだ次のポイントは、トンプソンへ出掛ける前夜に Lani Waller 氏のスティールヘッディング・ビデオでイメージした速い流れと遅い流れの狭間を攻める正しくそのパターン通りの場所でした。本流の部分が非常に速く、岸の直ぐ近くに淀んだゆっくりとした流れがあり、攻めるべき部分がはっきりとした分かりやすいポイントで、もし魚がいたならば明らかにテリトリー争いの結果で大物が居つきそうな雰囲気です。しかも攻めるのにあまり時間も掛かりそうにもありません。 スケールの大きなトンプソン河では、通いつめたベテランでないとスティールがどこにいるのか見当がつかず淡々とスウィングする釣りが通常なので、魚の気配を感じて、トンプソンではとても珍しく心臓の鼓動が早まるほど興奮している自分がいるのが分かりました。 ジェネラル・プラクティショナー・フライ サイズ 0 の黒のジェネラル・プラクティショナーをタイプ 6 と同じシンキング・レートの 10 フィートのポリーリーダーをフローティング・ラインの先につけた愛竿のレディントンで本流の方に投げ込み、綺麗に流暢に本流から淀みのゆったりとした流れの中へスウィングするよう岸側へのメンディングを繰り返しフライをリードすることを繰り返し、2 歩ずつ下流に移動しながらだんだんコツが掴めてきた頃、自分でも 100 点満点をあげられるとてもいい感じでフライが流れているなと高揚した気分でいるとき、ラインの反対側を誰かが引っ張り込むように勢いよく手元のラインのループ全てがあっという間に竿のライン・ガイドと擦れる独特の音を立てながら出て行きます。「来た!」と思わず心が爆発し、ラインのループ全てが出終わった頃、岸側に竿を寝かせながら合わせ! フッキングの感触、パーフェクト! 魚とのコネクションの重み、デ、デカイ! そして竿がグイと河へ引き込まれたかと思うと突然魚とのコネクションが無くなり、今までピンと張っていたラインが水面に垂れ下がります。「あれ? あー、あーぁ。」ラインを手繰り寄せてみると GP (ジェネラル・プラクティショナー) は消えていました。リオ の 15 lb(6.8Kg) テストの 0X ティペットがフライのところで切れていました。心臓の鼓動はまだ早く興奮冷めやらない状態でしたが心は萎んで行くのが分かります。 1 尾いればまだ他にもいると気を立て直し、それから淀みの終わり近くまで流したところで日暮れ近くなり、当たりもなく終了となりました。 残念ですが、まだシーズン最終日まで日にちがあるので仕切り直して出掛けようと思います。それにしても釣れ犬のパワーは凄い(笑)。
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月曜日, 11月 05, 2007

Thompson river で運動会からフライ・フィッシングへ(動画有り)

日曜月曜と2 日間トンプソン河スティールヘッドを釣りに出掛けてきました。 水位: 約 2.4m。 水温: 約 10.5 ℃ 天候: 曇天 風: 微風

  • 結論から先に言うと、今年のトンプソンはかなり良い状態のようです。
    トンプソン河のお役立ちリンク・資料のページで言及した Arthur J. Lingren 氏著の「トンプソン河・ジャーナル」にて水位 2.5m 程度のときに良いと言われているランの各所(河相が変わってしまっているランを除き)では、流石はやはり当たりや釣り上げられたりした話を聞くと同時に実際にフックして闘っている所を見ることも 2 回ばかりありました。 その他のポイントでも当たりがあったという話を 2 日の釣行の間で聞きました。 Arthur 氏によると、もう時期に水温の低いシーズンに入る変わり目になるので、これまでの状態が続くとは限りませんが、水位が落ちてきているのは良いニュースです。 私はゼロ・バイトでした。(もうすっかり慣れっ子になったのでまったく落ち込みませんが。笑)
  • 実は出掛ける前夜に調べた水位が高めだったので、あまり大きな期待は持てないかなという感じでした。
    シアトルから車で約 2 時間のべリングハムで Yasu さんと合流した後、途中 1 号線沿いにある Yasu さんの知る Daryl Martens 氏が開いた Reaction Fly & Tackle というフィッシング・ショップの Abbotsford 店に立ち寄って(高額な)フィッシング・ライセンスを購入したりしながら、約 3 時間半後に到着したトンプソンは水位の記録的に低かった昨年より凄みを増していた感じがしました。 下のビデオ(又は写真)はマレィ・クリークから撮った朝焼けに燃えるトンプソン河の模様です。
  • 運動会からフライ・フィッシングへ
    昨年は Yasu さんから借用した 10 番のシングルハンドで必死になって遠方まで投げたり、水を含んで重くなったフィッシング・ブーツ、クリーツ、ネオプレーンのウェーダーを着用しての崖の昇り降りで汗だくになったりと、釣りをしているというより運動会のような印象の方が強かったのですが、ウェーダーを Simms のクラシック・ガイド・モデルのゴアテックスのものに変えたり、ブーツを ORVIS の旅行用で軽量かつペシャンコにできるものにしたり、何よりも今回は今まで散々スペイの練習をレディントンのレッド・フライのダブハンを修理に出すほどしてきたおかげで、実力相応(笑)のナチュラル・スィングによるフライ・フィッシングをしている実感を満喫することができました。水量が多く流れがあったためでもありますが、特にグレーブヤードをとても楽しんでいる自分がいたことには満足です。釣れる釣れないは、また別の話ですが(笑)。
  • TFO の竿おろし
    初日にグレーブヤードでレディントンの 14 フィートで 9 番のスペイ・ロッドでブン投げ続けたことや土日とあまり睡眠時間がとれなかったことから疲れ気味だったことと、二日目は距離の必要な狙ったランが占有済みで入れなかったことから、念のためにバックアップ・ロッドとして持ち込んできておいたテンプル・フォーク・アウトフィッターズの短めのダブハン(プロ・シリーズで 12.6 フィート, 8 番, 4 ピース)の竿おろしを遠投の必要ないランで行うことにしました。 14 フィートのレディントンのレッド・フライ・スペイ・ロッドより、 TFO (テンプル・フォーク・アウトフィッターズの略)のダブハンは 1.4 フィート短いのでずっと軽く、しかもレディントンよりずっと柔らかい調子なので、悩まされるかなと思ったのですが、これが意に反し少しの間のキャストで気持ちよくラインが伸びていってくれるようになりました。これには腰のあるしなりを見せ更にその感じを良く手元に伝える上出来な TFO のダブハンは勿論、レディントンの硬い竿で竿のしなりを掴む感覚を努力して培ったので、レディントンより柔らかい TFO では比較的容易に竿のしなりを感じられキャストのタイミングを掴みやすかったこと、そして CND の GPS ラインに救われた部分がかなりありました。特に CND の GPS ラインについては、レディントンの竿のリールについているコンボ・セットとして付いてきたラインでは明らかにミス・キャストになっているであろう場合でも、それなりにターンしてくれました。そういう意味でも、比較的失敗にシビアなラインを使ってレディントンの硬めの竿でスペイの練習をしてきたのはとてもよかったと思います。 トンプソンのグレーブヤードに限りませんが、河幅のある所でレディントンのレッド・フライのような硬めの竿で精一杯の飛距離を投げ続けるのは(チャレンジとしても)とても楽しいのですが、そのような日の終わりには何歳までそういったフライ・フィッシングの仕方が楽しめるのか体と会話をすることがあるので、肩の力を抜いてキャストを楽しめるこの TFO の 12.6 フィートのロッドは、そのような意味でもお気に入りになりそうです。
  • でも運動会の楽しみも
    今回は Yasu さんを通じて日本やカナダからいらっしゃっていた日本人の皆さんと合流して顔見知りになることができました。おかげで宿泊した晩は熱燗にマット鈴木さんからの珍しいムースの肉と Yasu さんからの海の幸にあったかいご飯で舌鼓を打ちつつ、3 人でトンプソン談義による笑い話を夜陰に響かせることができたのと、翌日の昼食も途中経過の報告を兼ねて皆で集まり、ワイワイ、ガヤガヤ、ニコニコ、ガハハと日本語を地元に新しくオープンしたカフェ中に響かせエネルギー充填をお互いにすることができました。どこのランでテイクがあった、フックした、釣り上がったという新鮮な生の情報交換があるとその後の釣りへの気合の入り方がとても違います。 いい大人たちが夢中になるトンプソン河のスティールヘッド運動会といった模様でした。
  • 結論として
    今回はツキがなかったようです。(いつもかも知れませんが。笑) 初日は Yasu さんと入ったランで、後から入ってきた日本人組みがずっと後ろに入った所でフックされたり、二日目の朝、一足違いで入れなかったポイントで釣り上げられたりと、少し噛み合わせ(神合わせかな? 笑)が悪かったようです。
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日曜日, 10月 22, 2006

Thompson river でフライ・フィッシング

スティールヘッド フライ フィッシングの聖地の一つ、トンプソン河へ二日間釣りに行った際の二日目の釣行記です。 釣果: 16 inc ~ 19 inc レインボー・トラウト ライン: フローティング + シンク・ティプ フライ: ストリーマー全種 場所: トンプソン河 (カナダ) 時間: 終日二日間 天候: 晴れ、曇り、雨 同行者: Yasu さん

  • Flag is Up
    朝まだ薄暗い中まどろんでいる体をベッドから引きずりだし(いつも昼近くかそれ以降にのんびりと釣りに出かける私にとっては、これは異常です)着替えていると、Yasu さんがシャワーから上がってきました。短く朝の挨拶を交わした後、カーテンの隙間から外の様子を見ているYasu さん曰く「風が出ているみたいですね。」、「どれどれ」と私も窓越しに日の未だ明けぬ外を覗いてみるとサークル J ・モーテルに掲げられたカナダ国旗が力強くパタパタと音を立てて棚引いています。出鼻を挫かれたような気分を変えるのに朝のコーヒーを点て、それでも風の止む気配がないか時々窓に目を向けていると、右手から車のヘッドライトが。トラックが一台、少し置いてSUV が一台と先発隊の車が前の通りを過ぎていきます。そうなると私達も負けじとそそくさと定番の「どん兵衛」(Yasu さん提供)で朝食と荷造りを済ませて、先発隊の後に続きます。
  • 水中のジェット戦闘機
    相変わらずドデカイ石のゴロンゴロン転がっているマット・ランの河原が薄っすらと明るくなった頃から竿を降り始め、日の出たのも気付かず一心不乱に竿を振り続け、スティール狂でない尋常の人がのんびりと起きる頃、少し河下へ移動しようと水際を歩いていました。 クリーツを履いていても滑りやすい大きな石に敷き詰められた河底で覚束無い足元を、杖を頼りに一歩一歩ゆっくり歩を進めていたのですが、目先に直径 1m 以上はあろうかと思われる更に一段と大きな石が二つ現れ、右と左どちらから迂回しようかその先の様子を窺ったとき、「でかい。」スティールではなくチンヌーク・サーモンでしょうか、石の直径と遜色ないサイズで石の背後にピタッと付いていました。「こんな浅瀬に」と意表を突いた場所で遭遇したのとそのサイズに一瞬呆気に取られた後、鼻先まで 2m を切った所まで脅かさないようにゆっくりと近づいたとき、それまで尾びれをゆったりと左右に振って石の後ろに留まっていたのが、まさしく音速で飛ぶジェット戦闘機かミサイルのように「ひぇ~」という凄まじい速さで沖の方へ泳ぎ去って行きました。残された私は、ただただ唖然としてそこに佇んでいました。
  • お昼はやっぱり
    マーレィ・クリークの辺りまで釣り下る間、ラインの先に当たりを一切感じず、チンヌークとの遭遇とウェーディングしている時に何度も転びそうになったこと以外に特筆することがないまま昼まで時間が経ったので、場所の移動も兼ねて土手に停めてある車まで戻って昼食をとることにしました。お昼は言わずもがな「どん兵衛」(再びYasu さん提供)。野郎二人の釣り出張ともなればこんな感じで十分と納得していたのですが、昨晩に決めた人の行かない所をカバーしてみようということは辿り着くのに骨が折れる所という意味にもなり、空きっ腹に一日中再三再四による崖というべき急な斜面の昇り降りをすることになってかなり堪えました。始めのうちは、青空と河の抜けるような青さと色鮮やかな紅葉のコントラストに、コオロギの奏でる澄んだ音色と河のせせらぎのハーモニーに、心の洗濯をウキウキ楽しむ余裕があったのですが、帰る頃にはヘトヘトになりズルズル体を引きずっている自分がいました。後日に抱えていた総重量を計ってみたのですが、ロッド、リール、ラインを除いて乾燥で約 12kg 程ありました。ウェーダー、ブーツ、クリーツが水を含むので実際はもう少し重くなり、自分の体重の約 20% の重さの物を背負って急な斜面を昇り降りしていたことになります。釣りというよりは登山です。非常用のゲータレードとスリム・ファーストには本当に救われました。
  • 白銀の幻影
    レイク・プールとオーチャード・ランの間の目に付いた各ポイントで竿を振っていたのですが、その内の一箇所、狭い川幅の上流から勢いよく急流が下の広いゆったりとした流れのプールに流れ込んでいる内側に緩く深い流れの部分があり、そこに非常に大きな石が幾つか岸沿いに点在して水没しているポイントで、緩い流れの頭のどこから竿を振ろうか値踏みしていたところ、足元の水没している大きな石の向こう側の揺らめく波間の一部がゆっくりと青白さを増し大きくなってきます。目を凝らしてみていると、その青白くぼんやりしていたしていた部分が更に明るく白銀のようにしかも推測体長 85cm 程度の魚の形になって浮かんできます。「スティールだ」とハッとしていると、それをあたかも敏感に感じたかのように再びゆっくりと沈んで行きました。それからはウェット・フライの中でも重い物を沈んでいった辺りに来るようにスウィングさせた後でストリップすることを幾つも試してみましたが、体長 40cm~50cm 程のレインボーを 4 尾掛けることが出来ただけでした。トンプソン・レインボー・トラウトといっても、それまで何も当たりが無かったのに加え、トンプソンのレインボーは善戦するので十分楽しむことが出来ました。通常ならばこれで何も思い残すことなく満足できるのですが、やはり波間に消えて行ったあの白銀の幻影は心に引っかかるものとなりました。 ただ、マッハのような速さで泳いで行ったサーモンといい、これで一つはっきりしたのは何も遠方までブン投げればよいというものでも無さそうだということです。
  • コツコツ当り
    日も残り少なくなってきた時にグリース・ホールへ移動し、私はトップに Yasu さんはテールで竿を下ろして、今回のトンプソンでの最後のチャレンジをすることにしました。 グリース・ホールのトップは、急流が上のラフル (ruffle) から流れ込んでいるのですが、ハイウェイ 8 号線沿いの Cal Woods' Recreation Area 側はその急流の内側で流れの緩やかな淀みになり、 河の反対側に流芯を形成し流れて行きます。話は逸れますが、Cal Woods' Recreation Area は、ブリティッシュ・コロンビアのスティールヘッド協会の初代幹事、Cal Woods 氏に因んで付けられたとのことです。ハイウェイ 8 号線側で、急流の内側の流れの境目、流れの緩やかになっている部分にフライがスウィング・バックしてくるようにキャストし、スウィング・バックして来たところでストリップすることを、徐々に飛距離を増しながら繰り返していたところ、「む?」、コツ、コツというしっかりとした手ごたえがストリップしたときに伝わってきました。その時、ストリップを停めて当たりに合わせラインを素直に出してやればよかったのでしょうが、そのままストリップを繰り返したために口当たりを嫌ったのか、以来同じような当たりはありませんでした。一度、自分の最大長のキャストまで達した後、再び手元から最大長のキャストまで同じことを繰り返す内に 3 尾のレインボーを釣り上げることができましたが、どの当たりも最初の当たりの重みと全然異なりました。スティールだったんじゃないかなぁ。 結局、初のトンプソンでのチャレンジは何か晴れない思いを残すものとなって河を後にしました。

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土曜日, 10月 21, 2006

Thompson river でフライ・フィッシング(動画有り)

スティールヘッド フライ フィッシングの聖地の一つ、トンプソン河へ二日間釣りに行った際の初日の釣行記です。 釣果: 16 inc ~ 19 inc レインボー・トラウト ライン: フローティング + シンク・ティプ フライ: ストリーマー各種 場所: トンプソン河 (カナダ) 時間: 終日二日間 天候: 晴れ、曇り、雨 同行者: Yasu さん

  • カナダ B.C. のフィッシング・ライセンス
    金曜日に都合よく ebay オークションで購入したソニー dvd ビデオカメラ (中古の dcr 403) が着いて、これで首尾よくトンプソン河で釣りの様子が撮影できるなと遊んでいたら、あっという間に出かけなければならない時間(朝の4時)になってしまい、睡眠なしの強行軍と相成りました。 Yasu さんと合流してカナダ入り。一先ず途中の釣具屋でカナダのライセンスを購入。これがワシントン州のライセンスと比べて高い! 年間基本ライセンス料が CA $80、スティールヘッド保護負担料 CAD $60、トンプソンはクラス 2 該当の河なのでクラス 2 ウォーター・ライセンスが CAD $40 (CA $20/日 x 2)。合計で CAD $180。これはカナダは B.C. (ブリティッシュ・コロンビア)外在住外国人用の値段なので B.C. に居住している場合はもっと安く済むのですが、でもワシントン州の年間ライセンスはフレッシュ・ウォーターだけならば州外在住者用でも USD $43.80 (州在住者ならば USD $21.90) なので予期しない出費でした。 しかも釣具屋の人曰くトンプソンでは過去 90 年来の渇水とか。出鼻を挫かれた感じです。これから寒くなってくるのできついでしょうが、何度か B.C. に足を運ぶようにし、頑張って良い型を数釣り上げ、楽しい思い出を沢山つくることで元を取るしかないですね。 ということで気を取り直して、いざトンプソン。
  • トンプソン第一印象
    道々 B.C. の綺麗な紅葉の風景を車から楽しみながら、10:30AM 頃に着いたトンプソンはスティールヘッド フライ フィッシングの聖地というイメージよりも思いのほかリモートなキャニオンの真っ只中というだけの感じでした。しかも極度の渇水で川幅が狭くなっており迫力も薄れていました。ただ先入観も手伝ってか、澄み切った抜けるような青空を静かな水面へより深い紺色に映し出すトンプソンには何かが潜む気配の漂っているような…

    「一先ずスペンサーズ・イン・ホテルへ今夜の宿の予約を入れに行きましょう。」と Yasu さんが車を廻すものの、11:30AM オープンのサインにあっさり門前払い。私はというと、「え、泊まるの? 聞いてないんですけど。長距離ドライブだなとは思ったけど、やっぱりそうなるのね。正直、釣りでわざわざ宿泊するのは初めてなんだけど。」と心で思い顔で笑っていました。キャンプ場を除きスペンサーズ橋の周囲には"公式には" 3 箇所しか宿泊できる建物がなく、その内のアケーシア・グローブ・キャビンは既に予約一杯なのが分かっているので、少し心もとないのですが、しかしカカシと化してスペンサーズ・イン・ホテルのオープンまで待っていても埒が明かないので、宿泊の手配は後回しにすることにして本願の釣りをしにトンプソン河へ。ホテル・ランの向かい側の"俗称"マット・ランに入り、Yasu さんは早速竿の準備に取り掛かるも、私はというと遠足気分でスナックを頬張りながら開けた風景を秋風とともに暫し楽しむことにしました。河を眺めていると銀色のライズが… でも 20 inc 位でしょうか。スティールではなさそうです。川原には大きな石がゴロンゴロンしているので、確かにスティールが好んでつきそうなポイントはたんとあるのでしょう。
  • 10 番ロッド
    一息ついて、私も Yasu さんより借りた 10 番のシングル・ハンドの竿を準備してキャスティング。初めて来る川での最初のキャストはいつも淡い期待と興奮を味わえ楽しいものです。ただ今回は、案の定、キャストとライン・コントロールが思ったようにいきません。そりゃそうですよね、このロッドはトンプソン専用らしく先調子、私は 5 番の竿しか使ったこと無いんですから。渇水で水位が低くなっていて魚が怯えやすくなっていることが単純に察しつく状態なのに、10 番のラインで水面を叩くようなキャストになってしまっています。それにシンクティプとフライの重さが河の水位に合ってなく根掛かりばかり。早々にストリーマー系のフライを 4 つも失くしてしまいました。先が思いやられます。「まぁ、10 番の竿のキャストの練習に来たつもりだったんだから」と気を取り直していると、Yasu さんがあがってきました。対岸で一人掛けたみたいだけどとのこと。どんな魚が潜んでいるのか見逃しました、残念です。 その後幾つかの場所に移動し、時たま見る超ヘビー級のサーモンのジャンプに目を奪われたり、足のすくわれやすい川底に奮闘(クリッツと杖を購入しておいて本当によかった)しながら、何とか振りなれない竿で手首に負担のかからないようなキャスティングができるようになり、ラインのストリップ・スピードを適当に調節することで根掛かりを無くすことができるようになった時点で納竿です。しかし、あの足をとられやすい河で胸近くまで浸かる深さへ出て行ってダブル・ハンドの竿を流れるように操ってスペイで綺麗にロング・キャスティングをしている釣人をみると少し複雑な心境になりました。
  • エネルギー・チャージ
    やはり河から上がる頃には既に日はどっぷり暮れてしまい、慌てて今晩のお宿確保にスペンサーズ・イン・ホテルへ駆け込みましたが、やはり予期していたように満室でした。最後の望みの綱はサークル J ・モーテルです。車のヘッド・ライトに照らし出されたサークル J ・モーテルの駐車場には幾つか空きがありそうに見えました。数々の古いスティール・ヘッド・フィッシングの写真に飾られた狭い入り口のカウンター上にある呼鈴に奥からゆっくり現れたのは人のよさそうな田舎のお爺さんで、ニコニコ顔で空室があるよと言ってくれたときには安心と疲れで体が重くなったように感じました。そんなこんなで人のよさそうなお爺さんが宿番しているサークル J のモーテルに不無事チェックイン。 晩餐はスペンサー・ブリッジ・インへ。土地柄に合わない凝った食事に舌鼓を打てて、隣のテーブルで食事をしていたお洒落な年配の白人男性よりスティーリーをドライ・フライで釣った話とワインもご馳走してもらい満足満足。その方は鼠を模したドライで釣ったそうです。でも日中全くライズを見なかったので驚いたような不信な顔をしていると自信を持つことだよとのアドバイスを承りました。ワシントンのフライ・フィッシングの雑誌に記事を定期で投稿していたこともある方とのことなので事実そうなんでしょうが、片手で数えられるくらいしかスティーリーの釣りに出かけたことのない私に自信を持てと言われても… 話はそれますがここで会う人は皆なんか漫画のキャラクターにできる程個性的な気がするんですが… 私達もやはり類友なんでしょうね。 モーテルへ戻って Yasu さんにシンクティプを短く軽いものに変えてもらい、明日の戦略会議です。明日は人の入らないような所を試してみることに決定。 明日に備え、ライン、リーダー、ティペットを入念にチェックしている Yasu さんを横目に、私は冷えて疲れた体を暖房の効いた部屋のベッドに滑り込ませて、明日の朝と昼用の食料を予め調達しておくことを忘れてしまっていたことの不安を抱きながら浅い眠りにつきました。

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水曜日, 10月 18, 2006

Thompson?

Yasu さんの友人が 90cm 級のスティールヘッドをつい最近解禁されたトンプソンで先週釣ったという話から今週末はトンプソン行きが決定。Yasu さん曰くトンプソンはスティールヘッドの数ある聖地の一つで、90cm 級は平均サイズらしい。僕の持っている竿では折られることが明白らしく、Yasu さんがシングル・ハンドの十番のフライ・フィッシング ロッドをライン含めて貸してくれるとのこと。 馴染みの Kaufmanns (タックル・ショップ)でトンプソン行きのことを話したら皆の目の色が変わりました。非常に滑りやすい大きな石がゴロゴロしているからクリッツと杖は必須とアドバイスしてくれたので、ストリーマー系のフライ共々さっそく購入です。 どんなイベントになることやら。 ただ Yasu さんによれば釣れないことで有名とのことなので、10 番のロッドのキャスティングの練習に行くつもりです。

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