日曜日, 10月 29, 2006

Upper Skagit river でフライ・フィッシング(動画有り)

釣果: 虹鱒 ライン: フローティング 場所: スカジット河水源 時間: 11:00am - 5:00pm 天候: 雪、曇り、雨、一時晴れ 同行者: Yasu さん

  • 道程
    Yasu さんから、Dolly がカナダにあるスカジット河水源でよく釣れるのだけれど今度の火曜日が今シーズン最後になるので行ってみようという誘いがあり、早速出かけることになりました。 しかし当日になってみると雲行きがどうも怪しく、思い合わせたようにカナダ側でスカジット川の上流に沿って山を車で登り始めるあたりから本格的に降り出しました。川も濁流と化した上にゴウゴウと高い水位で激しく流れています。しかし朝の 6 AM からシアトルより走り続けて、ここまで来たらおめおめ引き返せません。強行です。未舗装の山道を登って行くに従い天候は雨から霙に変わり、そして雪に。この冬初めての雪体験です。それでも山道を走ること約 2 時間、雲の上に出て来たのか時々晴れ間も覗き始めたので、山道から川を見下ろせる所を認めて停車し、良さそうなポイントを確認することにしました。
  • どん兵衛と魚影にヒョンになる
    途中から車内のヒーターは最大になっていたので外の寒いことは分かっていましたが、車外へ出るとやはり寒い。Dolly は低い水温を好むかどうか知りませんが、これで更に川へ入って釣りをすることを思うと身震いします。ということで Yasu さんが持参した「どん兵衛」で腹ごなしと暖を取ることに。家で食べるインスタント・ヌードルには侘しさが付きまとうものですが、縮りこませる寒さと静けさの中で、山奥の緑の中を流れる雲と川の景色と新鮮な空気を肴に熱々の「そば」を友と一緒に啜ると、「日本人でよかった」という全く違った食感になります。 「そば」の食感を楽しみながら川のプールのゆっくりとした流れを目に映していると、さざ波を揺らめながら泳いで行く魚影が。「あれ、魚じゃない?」川面から 20 m も離れていると思える私達の立っている場所から目視できるので良い型に違いありません。「ドーリーかも」そうなるとヒョンな私達は俄然「そば」に箸を走らせる速度が変わってきます。視線を川に据えたまま汁を飲み干し「ふぅー」と腹ごなしを終えて、間髪いれずにフライ・フィッシングの身支度をして川へ降りていきます。 一投目というのはいつも期待が先行しウキウキするものですが、時間が開いて目撃した魚はどこかに見失っていても、型の良い魚がいそうだということが分かっているとなおさら目つきが変わってきます。 足を川原に下ろしてみると、厳しい冬を控えたことを窺わせる自然の声無い美しさがまず目に映ります。奥に頂に雪を積もらせた山を控え、木々の枯葉と針葉樹の深い緑の織り成す豊かなコントラストの間を流れるせせらぎが、ゆったりとしたプールの静かな流れになって倒木をかすめ、左手に折れながら再びせせらぎになり、川の中央に位置する趣のある岩めがけて小さく落ち込んだ後で再びゆったりとしたプールへ流れ込み、同じようなことを繰り返しながら枯葉と針葉樹のコントラストの中へ消えていきます。 そのような初冬の透徹した景色の中で際立つギラついた眼光を嗅ぎつかれたのでしょうか、あれから魚の気配は全く感じられず、雪もチラホラしだし、二人で一通りのポイントにフライを流してみたものの何の反応も見受けられないのでもう少し上流へ車で移動することにしました。
  • Sub surface rise
    少し上流に移動し車を停め、木々の間をしばし分け入った所に静かなプールがあり、右から左へ流れる川に合わせて視線を移していくと、時折水面上に出るか出ないかのライズが見受けられました。ゆっくりとした川の流れを目で追っていくと多くはないですが所々で小さなライズが見られます。「へぇー、こんな寒くてもサブ・サーフェスのライズがあるんだ」と心の中で驚いていると、早々にYasu さんがクロノミドのフライを付けてキャスティング。静かに流すことを繰り返していると、倒木の手前のライズが時々見られた辺りでインディケーターに当たりが。フィッシュ・オン。11 inc 程の bow (レインボー・トラウト)が負けん気のファイトを見せた後に寄ってきました。取り込み後、無事リリース。以降も暫くサブ・サーフェスでのライズを時として見受けたのですが、二人ともタイト・ラインを味わうことはありませんでした。お互いに魚が何にライズしているのか十分に頭を掻いたので、他のポイントを探して辺り一面の流れを歩いて釣り下り・上がり徘徊しましたが、ドーリーの姿どころか bow の気配もなくなってしまいました。
  • 迫る黒雲の壁
    車で驚くほどの渇水状態のロス・ダムを一瞥した後で、少し引き返した道路脇のトレイル入り口に駐車し、トレイル先の川からロス・ダム入り口までを今日最後とし、ドーリーの一抹の希望を諦めきれずに、竿を振ることにしました。沈み行く日に急き立てられながら、砂場のような足元を蛇のようにうねり流れる川に沿って所々のポイントで竿を振って、ラインを通じて伝わってくるフライからの感覚を頼りにドーリーを探っていると、気温が急に下がるとともに霙交じりの激しい風が吹き始めてきました。それでもめげずに、ジャケットのフードを立て、襟元のコードをきつく締めて釣り続けていると、ロス・ダムの遥か反対岸が最初雪で白く霞みだし、次に段々灰色の雲で見えなくなり、その雲がロス・ダムの方向から近づくにつれ黒さを増して、気付いたときには、まるで超巨大な黒壁と化し、もういい加減帰れとでも怒っているようにものすごい勢いで迫ってきます。山の天気は変わり易いとよく聞きますが、あんな光景は今迄見たことがありません。かなり以前の映画ですが "Never Ending Story" の "The Nothing" (日本語訳では「虚無」と訳されていたと思います)をまさしく思い起こさせました。 慌てて Yasu さん共々車に戻り、ヒーターを MAX に効かせ、嵐のような天候で暗くなった綴れ折りの山道を逃げるように降り下って家路に着きました。帰路上、ガソリン・スタンドに立ち寄ったのですがネイビー色のはずの愛車が泥で綺麗に隈なく白くなっているのには驚きました。洗車せずにいたら、数日後、車を見た知人に真顔で車を買い換えたのか聞かれました。

各種釣りブログ・ランキングへのリンク - 手の空いた合間に覗いてみると気晴らしになりますよ。

釣りのお役立ちサイト『(JFS)日本フィッシングサーチ』

0 件のコメント: