日曜日, 10月 22, 2006

Thompson river でフライ・フィッシング

スティールヘッド フライ フィッシングの聖地の一つ、トンプソン河へ二日間釣りに行った際の二日目の釣行記です。 釣果: 16 inc ~ 19 inc レインボー・トラウト ライン: フローティング + シンク・ティプ フライ: ストリーマー全種 場所: トンプソン河 (カナダ) 時間: 終日二日間 天候: 晴れ、曇り、雨 同行者: Yasu さん

  • Flag is Up
    朝まだ薄暗い中まどろんでいる体をベッドから引きずりだし(いつも昼近くかそれ以降にのんびりと釣りに出かける私にとっては、これは異常です)着替えていると、Yasu さんがシャワーから上がってきました。短く朝の挨拶を交わした後、カーテンの隙間から外の様子を見ているYasu さん曰く「風が出ているみたいですね。」、「どれどれ」と私も窓越しに日の未だ明けぬ外を覗いてみるとサークル J ・モーテルに掲げられたカナダ国旗が力強くパタパタと音を立てて棚引いています。出鼻を挫かれたような気分を変えるのに朝のコーヒーを点て、それでも風の止む気配がないか時々窓に目を向けていると、右手から車のヘッドライトが。トラックが一台、少し置いてSUV が一台と先発隊の車が前の通りを過ぎていきます。そうなると私達も負けじとそそくさと定番の「どん兵衛」(Yasu さん提供)で朝食と荷造りを済ませて、先発隊の後に続きます。
  • 水中のジェット戦闘機
    相変わらずドデカイ石のゴロンゴロン転がっているマット・ランの河原が薄っすらと明るくなった頃から竿を降り始め、日の出たのも気付かず一心不乱に竿を振り続け、スティール狂でない尋常の人がのんびりと起きる頃、少し河下へ移動しようと水際を歩いていました。 クリーツを履いていても滑りやすい大きな石に敷き詰められた河底で覚束無い足元を、杖を頼りに一歩一歩ゆっくり歩を進めていたのですが、目先に直径 1m 以上はあろうかと思われる更に一段と大きな石が二つ現れ、右と左どちらから迂回しようかその先の様子を窺ったとき、「でかい。」スティールではなくチンヌーク・サーモンでしょうか、石の直径と遜色ないサイズで石の背後にピタッと付いていました。「こんな浅瀬に」と意表を突いた場所で遭遇したのとそのサイズに一瞬呆気に取られた後、鼻先まで 2m を切った所まで脅かさないようにゆっくりと近づいたとき、それまで尾びれをゆったりと左右に振って石の後ろに留まっていたのが、まさしく音速で飛ぶジェット戦闘機かミサイルのように「ひぇ~」という凄まじい速さで沖の方へ泳ぎ去って行きました。残された私は、ただただ唖然としてそこに佇んでいました。
  • お昼はやっぱり
    マーレィ・クリークの辺りまで釣り下る間、ラインの先に当たりを一切感じず、チンヌークとの遭遇とウェーディングしている時に何度も転びそうになったこと以外に特筆することがないまま昼まで時間が経ったので、場所の移動も兼ねて土手に停めてある車まで戻って昼食をとることにしました。お昼は言わずもがな「どん兵衛」(再びYasu さん提供)。野郎二人の釣り出張ともなればこんな感じで十分と納得していたのですが、昨晩に決めた人の行かない所をカバーしてみようということは辿り着くのに骨が折れる所という意味にもなり、空きっ腹に一日中再三再四による崖というべき急な斜面の昇り降りをすることになってかなり堪えました。始めのうちは、青空と河の抜けるような青さと色鮮やかな紅葉のコントラストに、コオロギの奏でる澄んだ音色と河のせせらぎのハーモニーに、心の洗濯をウキウキ楽しむ余裕があったのですが、帰る頃にはヘトヘトになりズルズル体を引きずっている自分がいました。後日に抱えていた総重量を計ってみたのですが、ロッド、リール、ラインを除いて乾燥で約 12kg 程ありました。ウェーダー、ブーツ、クリーツが水を含むので実際はもう少し重くなり、自分の体重の約 20% の重さの物を背負って急な斜面を昇り降りしていたことになります。釣りというよりは登山です。非常用のゲータレードとスリム・ファーストには本当に救われました。
  • 白銀の幻影
    レイク・プールとオーチャード・ランの間の目に付いた各ポイントで竿を振っていたのですが、その内の一箇所、狭い川幅の上流から勢いよく急流が下の広いゆったりとした流れのプールに流れ込んでいる内側に緩く深い流れの部分があり、そこに非常に大きな石が幾つか岸沿いに点在して水没しているポイントで、緩い流れの頭のどこから竿を振ろうか値踏みしていたところ、足元の水没している大きな石の向こう側の揺らめく波間の一部がゆっくりと青白さを増し大きくなってきます。目を凝らしてみていると、その青白くぼんやりしていたしていた部分が更に明るく白銀のようにしかも推測体長 85cm 程度の魚の形になって浮かんできます。「スティールだ」とハッとしていると、それをあたかも敏感に感じたかのように再びゆっくりと沈んで行きました。それからはウェット・フライの中でも重い物を沈んでいった辺りに来るようにスウィングさせた後でストリップすることを幾つも試してみましたが、体長 40cm~50cm 程のレインボーを 4 尾掛けることが出来ただけでした。トンプソン・レインボー・トラウトといっても、それまで何も当たりが無かったのに加え、トンプソンのレインボーは善戦するので十分楽しむことが出来ました。通常ならばこれで何も思い残すことなく満足できるのですが、やはり波間に消えて行ったあの白銀の幻影は心に引っかかるものとなりました。 ただ、マッハのような速さで泳いで行ったサーモンといい、これで一つはっきりしたのは何も遠方までブン投げればよいというものでも無さそうだということです。
  • コツコツ当り
    日も残り少なくなってきた時にグリース・ホールへ移動し、私はトップに Yasu さんはテールで竿を下ろして、今回のトンプソンでの最後のチャレンジをすることにしました。 グリース・ホールのトップは、急流が上のラフル (ruffle) から流れ込んでいるのですが、ハイウェイ 8 号線沿いの Cal Woods' Recreation Area 側はその急流の内側で流れの緩やかな淀みになり、 河の反対側に流芯を形成し流れて行きます。話は逸れますが、Cal Woods' Recreation Area は、ブリティッシュ・コロンビアのスティールヘッド協会の初代幹事、Cal Woods 氏に因んで付けられたとのことです。ハイウェイ 8 号線側で、急流の内側の流れの境目、流れの緩やかになっている部分にフライがスウィング・バックしてくるようにキャストし、スウィング・バックして来たところでストリップすることを、徐々に飛距離を増しながら繰り返していたところ、「む?」、コツ、コツというしっかりとした手ごたえがストリップしたときに伝わってきました。その時、ストリップを停めて当たりに合わせラインを素直に出してやればよかったのでしょうが、そのままストリップを繰り返したために口当たりを嫌ったのか、以来同じような当たりはありませんでした。一度、自分の最大長のキャストまで達した後、再び手元から最大長のキャストまで同じことを繰り返す内に 3 尾のレインボーを釣り上げることができましたが、どの当たりも最初の当たりの重みと全然異なりました。スティールだったんじゃないかなぁ。 結局、初のトンプソンでのチャレンジは何か晴れない思いを残すものとなって河を後にしました。

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