日曜日, 5月 06, 2007

Deschutes river (WA) でフライ・フィッシング(動画有り)

釣果: 30cm (12 inc) カット・スロート ロッド: #5 シングルハンド・ロッド ライン: フローティング フライ: サイズ 16 "Flashback Pheasant Tail" 場所: デシューツ(Deschutes)川 時間: 1:30pm - 8:00pm 天候: 曇り時々晴れ

  • 春満喫のデシューツ(Deschutes)川
    現時点でオープンしている数少ない川の内の一つであるデシューツ(Deschutes)川へ初めて足を運んでみました。 デシューツ川というとお隣のオレゴン州に晩春から初夏にかけてサーモン・フライの集中したハッチングがあり、しかも夏にはスチール・ヘッドがドライ・フライで釣れるという同じ名前の有名な川がありますが、ワシントン州のデシューツ川はシアトル近郊の自宅から車で約90 マイル程南へ走ったところに位置する Tenino という小さな町の近く、色とりどりの花に飾られた春の高原を抜けた所を流れる可愛らしい小川でした。しかも途中の高原地帯で2 頭の小鹿が道路脇で一緒に草を食んでいました。 デシューツ川は WDFW (Washington Department of Wild life and Fish) のルールではキャッチ & リリースが義務付けられ、ただし、ハッチェリー (孵卵場)のスチール・ヘッド 2 尾までは保有が認められいる川なので、大物の期待できそうなスケールの川を予想していましたが、反して、春の小川と言うに相応しい雰囲気のデシューツ川が木々の緑の間から現れたときは、強張ったやる気の足元をさらっとすくわれて鮮やかに一本取られたような気持になり、思わず微笑が口元からこぼれました。
  • 川の景観
    川幅は大体 8 メートル位で、ウェーダーを着衣していれば対岸へ渡ることのできる場所にもそれほど困らない程度の深さの可愛らしいサイズではあるのですが、倒木と水草の繁茂、点在する岩、分流、合流、ラン、プール、浅瀬、ラフル(ruffle)、茂り出た木々、湧き水の合流と短い間で目まぐるしく形相を変えていってくれ、水の透明度も悪くはないので、フライ・マンにとってはやる気にさせてくれそうな第一印象でした。 やはりオープンしている川が少ないからなのでしょう、3 人の先客のフライ・マンも一瞥した川の景色とともに目に映るほどの混雑様でした。 お天気は釣りには上々の曇り空なのですが、着いたのが午後 1 時頃ということもあり、ハッチングは見受けられず、川から上がってきた一人のフライ・マンと言葉を交わしても予想した「スロー」という言葉の後に「釣られすぎ」と続いてかえってきました。思ってみると今回訪れてみたデシューツ川の領域は通年でオープンしており、サイクリング用道路も川に沿ってあることからアクセスもしやすいので、たとえキャッチ & リリースが義務付けられていても確かに「釣られすぎ」ということもありうるやもしれません。それに、倒木の具合を見てみるとこの川もご多分に漏れず昨年末のひどい洪水に見舞われたようで、川の生態系が回復している最中という事情も加えてあるでしょう。 一先ず、先客の邪魔をしないように、川を上から見下ろせるサイクリング・ロードの続く下流へと魚の気配を探りながら移動することにしました。
  • シングル・ハンド・ロッドでミニ・スペイ
    後で川に立ったときに何故かが分かったのですが、先客のフライ・マンの一人が釣り場所を探す私をあたかもつけるかのように非常に早いペースで釣りをしながら下ってきます。その時は何だかいやな感じだなと思いつつ、釣り場を見つけるべく歩くペースを上げて下流へ移動し、サイクリング・ロードと川が分かれ始める辺りにあるランの頭で、周りにフライ・マンの見えないことを確認して川へ入って行くことにしました。 ウェーダーとフィッシング・ブーツを着て竿の用意をしている間に早なんと先程のフライ・マンが目の前を釣り下って行きます。「あれでは釣れないだろうな」と内心思いつつやり過ごし、直ぐ下のラフルとランから攻め下っていこうと思っていたのを改め、反対に上流へ攻めていくことにしました。 いざ川にたって実感したのですが、左右両岸に茂り出た木々のために通常のシングル・ハンド・ロッドでのキャストでは川の半ばに立ち投げることしかできません。それも気ままではないので、まず後ろを取らないロール・キャストばかりを始終することになります。 さらに(通常の)不精で勝気なフライ・マンにとって不運なことは、車の駐車できる場所の前がキャスティングのための後ろが一番開いていてとれる場所の上に、川の形相が最も豊かな所で、それとちょうどサイクリング・ロードが川に沿って下流に走り始めるので、一度そこでフライを投げ始めてしまうと下流に釣り下ってサイクリング・ロードを歩いて帰ってくるというパターンに陥りやすいことです。釣り下ると、ドライやウェット・フライのデッド・ドリフトで釣る場合は、どうしても魚の視野に入ることや合わせの難しさから釣果は自然と落ち、といってスウィングで釣るような規模の川でもなく、しかも先々キャストが難しくなっていくので尚更あまり楽しい思いを期待できないことが予想されます。目の前を通過していったフライ・フィッシャーの合点のいかない移動の速さも通常のシングル・ハンド・ロッドでのキャストで釣り場が非常に限られ、しかも上述のパターンに陥って半ば釣れないとあきらめ半分での行動だったようです。 私にとっては先客のあったこととが幸いし、下流から上流へ釣り上がるようにしたのですが、それでもダブル・ハンド・ロッドでスペイ・キャストをかじっていなかったらとても散々な思いを知らされたでしょう。加えて Derek Brown 氏が、シングル・ハンドでのスペイ・キャストを "Spey MasterClass" ビデオで教えていてくれたことに感謝です。おかげで流れの緩く浅い側の川岸を選んで 2 歩ずつ上流に向かって進みながら、愛用の Sage の #5 のシングル・ハンド・ロッドでミニ版の主にスネーク・ロールとダブル・スペイ、時にスナップ T とシングル・スペイにて対岸寄りの各ポイントに目掛けてフライを投げて存分に遊ばせてもらい、すっかり春のデシューツ川を満喫することが出来ました。
  • 12 inc カット・スロート
    時々、水面上を流れるラインの先に集中することを忘れ、フッと周りの川の景色を意識に映して一息入れてみると、カディスとメイフライが緑の中を流れる川の水面近くをフワフワ飛んで行くのが分かります。春の若葉の緑の中を白いメイフライ・ダンが近くをゆっくりスゥーと飛んで行くのを見ると何だか小さな可愛い妖精を思い起こさせます。そうなるとドライ・フライでも当たりの出そうな気のしないでもなかったのですが、結局まるまる半日川で遊んでライズが目に入ったのは 2 回だけという状態だったので、ほぼ終始 サイズ 16 ~ 18 の "Flashback Pheasant Tail" や "Copper John" などのニンフをデッド・ドリフトさせていました。 途中で、右手上流の対岸から覆いかぶさった木の下に早くも遅くもない丁度好い流れがあり、そこへ対岸から 2 本の湧き水の流れが加わり、流れの筋の幅が川底の凹凸を反映した滑らかな波を揺らめかせながら徐々に広がっていく地点へ来たので、よさそうに思い下からゆっくり時間をかけて攻めていきました。手前の流れが遅いのでリーチ・キャストでラインを "Flashback Pheasant Tail" のフライより上へ来るようにもっていき、キャストの距離と上流への歩みで網の目を埋めるようにフライを落としては流しを繰り返していると、或る時左手の指の間からラインがツーと出ていきます。反射的に竿を何気なく上げると、ラッキー、フィッシュ・オンです。川の雰囲気から 20cm (8 inc) 程度のベイビーかなと思ったら、意外と竿に重みを感じ、予想に反して 30cm (12 inc) 程のカット・スロートが姿を現し手元に寄ってきたので、すっかり上機嫌になりました。 その後も川の表情豊かな変遷に合わせ、フライを投げ入れるポイントを探っては、キャストの仕方を考え、魚の当たりを期待しながら川面を流れるラインに神経を集中することを繰り返して、のんびりとした速さで車を駐車した前まで釣り上がり、胸一杯に十分吸い込んだ春の若葉香る新鮮な空気と充実した集中を楽しめた半日になりました。

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